阪神監督時代の岡田彰布氏 (c)朝日新聞社
阪神監督時代の岡田彰布氏 (c)朝日新聞社

 新型コロナウイルス拡大の影響でシーズン開幕の見通しがつかない状況が続いている。

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 そんな中でも、各球団ともに今季の陣容を固めていかなくてはならないが、その中心となるのが指揮を執る監督である。今シーズンからは広島・佐々岡真司、ヤクルト・高津臣吾、楽天・三木肇と3球団で新監督が誕生した。彼らの手腕は如何なるものか。名将の器なのだろうか。これまで世間的に広く名将と認知されているのは、川上哲治、鶴岡一人、野村克也、森祇晶、仰木彬、落合博満、星野仙一、そして今年7月に史上13人目となる「監督通算1000勝」を達成した原辰徳といった面々だろうが、彼ら以外にも「隠れた名将」は多くいる。

 一人目として名前を挙げたいのが、岡田彰布だ。現役引退翌年の1996年からオリックスで指導者の道をスタートさせ、1998年からは阪神の二軍助監督兼打撃コーチとして、現役時代に長らくプレーした古巣に舞い戻った。専任の監督となった2000年にはファームチームを2年連続となる日本一に導いている。

 その後に一軍内野守備走塁コーチなどを経て、2004年から阪神の一軍監督として5年間チームを率いた。そして1年目こそ4位に終わったが、2年目の2005年にリーグ優勝を果たし、3年目以降も2位、3位、2位と優勝争いを続けた。不運だったのは最終年の2008年に開幕から首位を快走しながらも、北京五輪を境に急失速して優勝を逃したこと。今考えると「2位」は十分な成績だが、失速したことで印象が悪く、自身も責任を取る形で辞任した。

 健康問題で勇退した星野仙一前監督の「戦力を引き継いだ」というイメージも持たれているが、実際は岡田監督が育てた若手も多く、鳥谷敬が不動のレギュラーとなったのも岡田時代。そして史上最強のリリーフユニット「JFK」を確立させたのも岡田監督である。阪神は2005年を最後に優勝から遠ざかり、監督5年でAクラス4度だった岡田時代とは違って優勝争いに絡めないシーズンが続いている。

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