日ハム投手力アップのキーマンの一人、斎藤佑樹 (c)朝日新聞社
日ハム投手力アップのキーマンの一人、斎藤佑樹 (c)朝日新聞社

 昨シーズンは5位とBクラスに低迷した日本ハムだが、ダークホースとしてパ・リーグをかき回す力は十分ある。

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 その強みはチーム一丸となって戦う勝負強さであり、粘り強い姿勢も持ち味。様々なアイデアを駆使して相手チームを揺さぶる戦い方は実におもしろい。リリーフ投手を短いイニング限定で先発させる『オープナー』や、相手打者に合わせた極端な守備シフト、選手の価値を数値化で測る『B.O.S(ベースボール・オペレーション・システム)』も話題となった。

 もっとも、日本ハムはあえて奇をてらう戦い方をしているわけではない。その実は投手陣を中心とした守備ベースでオーソドックスな野球とも言える。

 先発には昨年15勝で最多勝を獲得した有原航平という太い幹ができた。また左膝骨折から復活のめどが立った上沢直之、どのような役割もこなせるベテランの金子弌大、『オープナー』の申し子・加藤貴之、新外国人のドリュー・バーヘイゲンなど心強い顔ぶれが並ぶ。そしてドラフトでも即戦力投手を獲得するなど着々と投手整備は進んでいる。

 その中でさらなる投手力アップのキーマンとなるのが、ニック・マルティネス、吉川光夫、斎藤佑樹の3人だと見る。

 マルティネスは1年目の2018年に10勝を挙げたが、昨年は故障で1軍登板はなかった。しかし150キロを超える真っ直ぐとカットボール、鋭く曲がるカーブが持ち味。制球が非常に良く、「今メジャーへ凱旋しても活躍できる」と関係者の評価も高い。

 キャンプ中からマルティネス本人が重視していたのは、高い集中力の維持。「パワーを効率的に使えれば、腕はしっかり振れているので力のある球を投げられる。強く腕を振る中で、ロケーションを大事にしてしっかり投げ切ることを考えたい。そのためには正しいメカニズムとともに、集中することが大事。アドレナリンが出た状態でも、平静を保つことができるメンタルも大事にしたい」と力を込める。

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斎藤佑樹に期待