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2000本を超える新型コロナ論文からもわかる「手洗い」の本当の大切さ

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山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員

山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員

写真はイメージ(Getty Images)

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 例えば、アメリカ国立アレルギー・感染症研究所のDoremalen博士らは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は浮遊状態では少なくとも3時間、表面上では最大72時間生き続けたこと、また表面上で生き続ける時間は材質によって異なっており、銅は最も短く4時間、段ボールでは24時間、ステンレスでは48時間、プラスチックでは最も長く72時間生き続けたと報告しています。

 またシンガポールの国立感染症センターのSean氏らは、シンガポールの病院の新型コロナウイルス感染患者3人の待機室を調べたところ、そのうちの1人の待機室の居間の椅子や床、窓ガラスなど15カ所中13カ所(87%)と、ドアノブなどトイレの5カ所中3カ所(60%)で陽性反応が認められ、呼吸器からの飛沫や糞からのウイルスが付着した環境が感染を媒介しうると示唆されると報告しました。

 つまり手洗いが大切であることが、これらの論文からお分かりになるのではないかと思います。
 
 実は手洗いは、ウイルス感染の拡大を抑制する方法として知られています。例えば、江西省南昌市の疾病管理予防センターのLiu氏らは、定期的な手洗いと良好な衛生習慣は、インフルエンザ感染のリスク低下と関連していたと報告し、イタリアのコクラン共同計画のTom氏らは、58の論文を分析した結果、手洗いやマスク、感染者の隔離は効果的なウイルス感染拡大抑制法であると判断したと言います。

 欧米では、現在、外出禁止や自宅待機など厳しい行動制限を呼びかけたり、入国制限を行なっています。こうした研究結果を考量しての対策だと言えるでしょう。

 余談ですが、手指を清潔に保つ以外の手洗いの効果について報告した非常に興味深い論文もありました。クイーンシルビア小児病院のBill氏らによると、食器を手洗いしている家庭の子どもは食器洗い機を利用している家庭の子どもよりもアレルギー疾患が少ないことが示されたというのです。この関連では、定期的に発酵食品を摂っている家庭や農家から食品を直接買っている家庭では、より強かったという結果が得られたと言います。

 手洗いを疎かにしていた、洗っているつもりだったけど不十分だったという方は、新型コロナウイルス感染を、そして世界水の日をきっかけに、手洗いの習慣を身につけてくださいね。


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