もう一人打者を挙げると、清水東高校から慶大を経て、大洋(現DeNA)に入団した山下大輔氏。名遊撃手として8年連続ダイヤモンドグラブ賞に輝き、のちに監督にもなった。

 現役選手では、オリックスの増井浩俊が静岡高校出身。駒大、東芝、日本ハムを経て、2018年からオリックスでプレーしている。ドラフト5位と下位指名だったが、すぐに頭角を現し、2012年には45ホールドで最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得した。2014年からはクローザーを務め、同年は23セーブ、翌年は39セーブ、18年にも35セーブをマーク。また、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表にも選出された。

 現在では絶滅危惧種の“サブマリン”牧田和久も静岡県焼津市出身の現役プロ野球選手だ。高校まで静岡で過ごし、平成国際大、日本通運を経て、2010年のドラフト2位で西武に入団。1年目から開幕一軍入りし、22セーブを挙げる活躍を見せた。翌年からは先発に定着してローテを担った後、2016年には中継ぎに転向して安定したピッチングを披露するなど、幅広い働きでチームを助けた。

 2018年に夢だったメジャー挑戦を果たし、パドレスに入団するも米国の地では思ったように活躍できず。昨年末に楽天と契約し、日本球界復帰となった。アンダースローから放たれる浮き上がるようなストレートと、変化球を織り交ぜる多彩な投球術はまだまだ通用するはずだ。

 このように、静岡県からは数多くのプロ野球選手が生まれてきた。「王国」の称号はサッカーだけでなく、野球で使用されても十分に説得力があるのではないだろうか。