■セカンドオピニオンとるべきケース

 心臓手術は、胸を切り開いておこなうため、できれば受けたくないと思う人は多いだろう。

 金村医師は、手術を勧める説明に納得がいかない場合、手術数が多く、内科の評判もよい病院で意見を聞いたほうがいいと語る。

「外科、内科ともに治療数が多い病院は、治療の選択肢をすべて説明してくれると思います。たとえば糖尿病を持つ比較的若い人で、複数の血管が狭窄していれば、カテーテル治療より手術のほうが成績がよいなど、具体的な科学的根拠やデータを説明してくれると思います」

 なぜ手術を受けなければならないのか、納得できる説明を受けて手術をするべきだと、田畑医師はアドバイスする。

「冠動脈の主要な血管が狭くなっているとか、複数の血管が狭くなっているためバイパス手術が抜本的に治せる方法です、など具体的な説明があるかどうかです。納得できる説明でなければ、ほかの病院でセカンドオピニオンを受けるべきでしょう」

≪セカンドオピニオンをとるべきケース≫
ケース
冠動脈バイパス手術を受けるしかないと言われた

冠動脈が詰まっている位置や本数によっては、カテーテル治療が困難な場合があるが、本当に手術が必要かどうか、同等の実力の循環器内科の意見も聞く。

ケース
弁膜症で治療の選択肢として手術しかないと言われた

心臓弁膜症の治療は手術、カテーテル治療と選択肢が増えている。そもそも本当に手術しないといけないのか、手術しか選択肢がないのか、意見を聞く。

■ランキングの読み方と病院選び

「手術数の多さは大前提です。一度に複数の病変を手術する、複合手術を多くやっているところも優秀な病院であり、難症例にも取り組んでいる証しになると思います」

 こう話す金村医師は、理想としてトップの術者が年間200例おこなっていれば、手術の技術がかなり高い病院だという。

 カテーテル治療であるPCI(経皮的冠動脈形成術)治療数が多く、手術数も多い病院について、田畑医師はこう話す。

「PCIができない難症例の手術を引き受けている可能性があり、技術が高いと思います」

 バイパス手術の約6割を占めるオフポンプ手術の多さも、いい病院の指標になるという。

「オフポンプ手術は、日本では難症例に対し熟練者がおこなっている手術です。心臓手術をする病院では、もはや必須の手技と言えます」(田畑医師)

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術後の管理態勢とリハビリテーションの熟練度も重要