■アナウンサーではなく総合職志望だった!?

 そんな女子アナ界を代表する異色の存在になった彼女だが、テレ朝に就活中だった頃は「実はアナウンサーではなく総合職志望だった」という逸話も。女子アナ業界に詳しいある放送作家は次のように語る。

「人事部に顔を覚えてもらうと有利になるかもしれないという動機で、応募時期の早いアナウンサー採用試験を受けたら見事に合格した。もともと声優志望だったそうなので何かを表現することに抵抗はなかったとは思いますが、アナウンススクールにしっかりと通っていたわけでもなく、それでもなぜか受かってしまった。当時、面接官を務めたのは『アメトーーク!』のプロデューサーとしておなじみの加地倫三さんで、そんな彼女の印象を『アナウンサーとしてのスキルはそれほどでもなかったけど、フリートークが図抜けて面白かった』と証言。バラエティ班のエースである加地さんと、面接官と学生という立場で出会っているのも強運の持ち主ですし、そもそもタレントとしてのポテンシャルは最初から高かったということになります」

 最初のころはアイドル的な人気を博していたが、そんな彼女もいよいよ30代に突入する。今後はプロデューサー兼女子アナという型破りなテレビマンとして活躍するのだろうか。TVウオッチャーの中村裕一氏は弘中アナをこう評価する。

「彼女は、決められたレールの上をミスすることなく完走できるというよりも、ある程度の裁量権を与え自由にのびのびとさせることで本領を発揮するタイプなのでしょう。以前、弘中さんにインタビューした際、『私も会社員だから、社内調整が大変なことはすごくわかる。でも、激レアさんを見ていると、少しくらい個性を出してもいいし、自分らしく生きてもいいんじゃないかと思う』と語っていたのが非常に印象的でした。これまでの女子アナのセカンドキャリアとして、報道や広報の道に進むというケースはありましたが、彼女ほどの若さで番組制作に携わるとなると、ほとんど前例はないでしょう。このまま突き進んで新時代のアナウンサー像を切り開いてほしいですね」

 自分らしく生きることで、女子アナ界の頂点を極めた彼女。今度もニュータイプの女子アナとしてさまざまなジャンルで活躍し続けるのは間違いなさそうだ。(藤原三星)

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藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・芸能ウェブライター。エンタメ業界に潜伏し、独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を書き続ける。『NEWSポストセブン』『Business Journal』などでも執筆中。

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