最近、すごく勇気づけられたのが、『ウィンドミル』ってわかります?ブレイクダンスで、全身を使って床をぐるぐると回るムーブ。あのプレーヤーの最高齢が80代のおばあちゃんらしいんですよ。人の成長を止めてしまうのは結局、羞恥心と恐怖心なんだと思います」

 小さなレベルでいいから、ひとつでも悔いを減らしていきたいと話す。

「月並みな言葉ですけど、人生は1度きり。だからこそ、死ぬまでにひとつでも悔いを減らしておきたい。身近なところ、小さいレベルで言ったら、予約のとれないお店でお寿司食べたかったなとか、あのアーティストのライブに行っておくんだったとか。一片の悔いなく死ぬ人なんて、ラオウぐらいしかいませんもん(笑)。だったら、小さなレベルでいいから後悔のタネを減らしていきたいですね。

 映画を撮る、出ることに関しては、まだもうちょっと夢として持っていてもいいかなと思ってます。この先いくつのぼたが棚から落ちてくるかはわからないですけど、万が一落ちてきたときには、ちゃんと口を開けていたいな、と(笑)。僭越ながらミュージックビデオは監督させていただいた経験があって。僕の舞台を観てくださった大石昌良さんに依頼されて、大石さんご本人がとっても大切にされているバラードを、ドラマ仕立てで撮らせていただきました。夢を言い続けていたら、やってみる?っていう方がまた現れるかもしれない。

 いい意味でも悪い意味でもトリッキーというか、輪郭のわからない人でありたいです。それが、いくつになっても新しいことを始められる柔軟さにつながればいいなと思っています」

(取材・文/久住亜希)

●浅沼晋太郎(あさぬま・しんたろう)/1976年、岩手県生まれ。多摩美術大学卒業後、脚本家・演出家・俳優・コピーライターとして活動。2006年『ZEGAPAIN-ゼーガペイン-』ソゴル・キョウ役をきっかけに声優として活動を始める。『あんさんぶるスターズ!』(月永レオ役)『A3!』(茅ヶ崎至役)など多数出演。音楽原作キャラクターラッププロジェクト『ヒプノシスマイク』碧棺左馬刻 役。1st写真集『POPCORN』が2020年1月10日、インディペンデントワークスより発売。