苦しんでいるのはA代表だけではない。近年の日本サッカー界は年代別代表でも韓国に劣勢を強いられるケースが少なくない。その一例が、東京五輪世代が参戦した2018年夏のアジア大会(インドネシア)決勝。延長の末、1-2で敗れてタイトルを逃したゲームである。この時の日本は東京五輪を見据えてU-21世代だけで参戦。一方の韓国はタイトルに兵役免除が懸かっていたため、ソン・フンミンやファン・ヒチャン、イ・スンウらA代表経験者をズラリと揃えて勝ちにきた。つまり、両者の戦力には多少の差があったのだ。そういう状況下で日本の若手たちは奮闘したものの、延長に入ってから立て続けに2失点して敗れるという勝負弱さを露呈。そこは大きな課題として残された。

 彼らより2世代上の2012年ロンドン五輪世代も、2012年8月の五輪本番の3位決定戦で韓国と激突して0-2で苦杯。悲願だったメダルを逃すという悔しい経験をしている。当時の主力は永井謙佑や酒井宏樹、権田修一らだったが、相手の徹底したロングボール攻撃に耐えきれず、ミスから決勝点を与えてしまったのだ。しかも、試合後には韓国の主力だったパク・チョンウが「独島(竹島)は我らが領土」と書かれた横断幕を掲げる騒動まで起き、後味の悪さばかりが募った。

 五輪世代より下のU-20世代を見ても、今年5月から6月のU-20ワールドカップ(ポーランド)・ラウンド16で奇しくも両国の直接対決が実現。前半は日本が主導権を握り、勝てそうな雰囲気も漂ったが、後半から相手が一気にギアを上げてきて、ラスト6分というところで韓国がクロスから決勝点をゲット。虎の子の1点を守り切った韓国が勝ち上がり、最終的に準優勝までたどり着くに至った。日本は久保建英や安部裕葵らエース級アタッカーがA代表参戦のため不在という事情があったにせよ、やはり勝たなければいけない試合だった。

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韓国に屈していいのか