こうした人物の背景には、大きなストレスを抱えている、ふだんは自分が低く見られている、など色んな理由が考えられますが、どの理由だとしても、あなたが変わることで、この人があなたに態度を変える可能性は低いと思います。

 情緒的なクレームを言ってくる人物は、あなたが何を言ってもどんなに気をつけても文句を言ってくるでしょう。悪化することはあっても、改善の見込みはありません。

 人間は周りの人間に影響されます。考え方も健康も性格も運も成功も失敗も。未来が開けることもない感じがしますし、何かいいことがあるとは思えません。まずは、本当にこの人とビジネス上の付き合いを続けることが必要か、冷静に胸に手を当てて考えてみてください。付き合わなくていいなら、徐々にフェイドアウトして関係を切っていった方が精神衛生上いいと思います。

 仕方なく付き合うしかないなら、もう割り切って、好き勝手言わせておくことです。いちいち気にしない。受け流すことです。

 他人の気持ちはコントロールできませんし、しかも他意があってわざと言っている可能性も高いわけですから、気にしても何もいいことはないどころか、悪いことしか起こりません。何を言われても真に受けない、と心に刻んでください。

 そして、できることならば目の前から徐々に消し去るように持って行ってください。そうした方が、目先には色々打撃があっても、長い目で見たらずっといいことになります。

 そうでないと、あなたの精神衛生や健康や運までも奪われるだけです。こんな人と付き合わなくても、あなたの人生は、全然大丈夫です。繰り返しますが、改善の見込みはゼロです。失うものしかありません。

 自分が死ぬときを想像して、そこから逆算して本当に必要なお付き合いなのかを再確認してください。

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田村耕太郎

田村耕太郎

田村 耕太郎(たむら・こうたろう)/国立シンガポール大学リー・クアンユー公共政策大学院兼任教授。ミルケン研究所シニアフェロー、インフォテリア(東証上場)取締役、データラマ社日本法人会長。日本にも二校ある世界最大のグローバル・インディアン・インターナショナル・スクールの顧問他、日、米、シンガポール、インド、香港等の企業のアドバイザーを務める。データ分析系を中心にシリコンバレーでエンジェル投資、中国のユニコーンベンチャーにも投資。元参議院議員。イェール大学大学院卒業。日本人政治家で初めてハーバードビジネススクールのケース(事例)の主人公となる。著書に『君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?』(マガジンハウス)、『野蛮人の読書術』(飛鳥新社)、『頭に来てもアホとは戦うな!』(朝日新聞出版)など多数

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