次に誕生したのが「成田空港駅」で、1978(昭和53)年に京成電鉄によって開業している。上野~成田空港間には特急「スカイライナー」が運行されるなど空港駅として華々しいスタートではあったが、ターミナルビル(現・第1ターミナル)の間を連絡バスで結ぶなど、やや不便さが見られた。その後、1991(平成3)年にターミナルビルに近接して「成田空港駅」が開業すると、旧・成田空港駅は東成田駅と改称され、現在はもっぱら空港職員の通勤に用いられている。

 1980(昭和55)年にはJR千歳線に「千歳空港駅」が開業し、千歳空港と国鉄との連絡駅となった。こちらは新千歳空港ターミナルビル開業と合わせ1992(平成4)年に「新千歳空港駅」を新設、旧駅は「南千歳」と改称され、函館方面や札幌方面、石勝線などとのジャンクションとして機能している。本州~北海道間の連絡の大半が空路利用となっているなか、千歳空港は鉄道との連絡という点で大成功を収めているといえるだろう。札幌との間には快速「エアポート」が高頻度で運行されており、利便性の高さもピカイチといえる。

 その後も主要国際空港を中心にして各地に空港駅が誕生、「関西空港駅」をはじめ利便性の高い空港駅も登場するなど、空港の玄関として鉄道駅がその地位を築いてきたのである。

■少し意外な空港駅も?

 一方で、駅名に空港の文字を持ちながらも、不遇な駅もある。JR東北本線の「花巻空港駅」もそのひとつで、空港アクセスにはほとんど利用されてこなかったという。これは空港に近いとはいえ、肝心な空港ターミナルとは2キロ以上(現在は3.8キロ)の距離があり、相互の連絡がほとんど考慮されていなかったことに加え、主要都市空港とは異なり、空港の発着便数が限られていたことも影響していたのであろう。

 花巻空港駅の歴史は古く、1922(大正11)年に二枚橋信号場として開業、1988(昭和63)年に現駅名に改称されている。現在は、空港と駅を結ぶ路線バスが駅前まで乗り入れており、空港駅としての面目を保っているといえそうだ。花巻空港には国内線に加え国際定期便が順次就航するなど、成長をみせている。

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存在感が薄い「空港駅」は?