1994年、200安打を達成したオリックスのイチロー (c)朝日新聞社
1994年、200安打を達成したオリックスのイチロー (c)朝日新聞社

 セ・パともに大いに盛り上がったNPBレギュラーシーズンでは、今季も数多くの記録が達成された。投手部門では、千賀滉大(ソフトバンク)と大野雄大中日)がノーヒットノーランを達成し、平井克典(西武)はパ・リーグ新記録となるシーズン79試合に登板した。

【かわいすぎる!セーラー服で始球式に登板した橋本環奈はこちら】

 打撃部門では、坂本勇人巨人)がセ・リーグ新記録となる開幕36試合連続出塁をマークしたことを皮切りに、5月には高橋周平(中日)がプロ野球タイ記録となる月間8度の猛打賞、9月には中村剛也(西武)が自らのプロ野球記録を更新する通算20本目の満塁本塁打をマーク。近本光司(阪神)は、1958年の長嶋茂雄(巨人)の記録を抜いてセ・リーグの新人シーズン最多安打記録を更新した。

 だが、彼らのように球史に自らの名を刻む選手が出る一方で、今後も決して破れないであろう「永久不滅」の大記録もある。

 投手部門では、金田正一の存在が抜きん出ている。現役20年で積み上げた数字の数々の多くが日本記録であり、その中でも特に「通算400勝」、「通算365完投」、「通算4490奪三振」は2位以下に大差を付け、今後も迫ることすら不可能な記録である。「通算400勝」だけを見ても、高卒1年目の19歳から38歳までの20年間連続でシーズン20勝を挙げなければ達成できないのだ。今後、どれだけ科学的トレーニングとコンディション管理、医療の発達で選手寿命が伸びようとも、現代野球の中では「さすがに無理」である。

 1年のみの記録だと、巨人のスタルヒンが1939年に、西鉄の稲尾和久が1961年にマークした「シーズン42勝」も更新される可能性は限りなくゼロに近い。そして、江夏豊が阪神時代の1968年に記録した「シーズン401奪三振」は、まさにアンタッチャブルレコード。NPBではシーズン200奪三振を上回れば超一流とされる。MLB記録(ノーラン・ライアンが1973年に記録)ですら383奪三振であり、それよりも試合数が少ない中で達成した江夏の“異常さ”は際立っており、今後も抜かれることはないだろう。

次のページ
打者部門ではあのレジェンドを超えるのはムリ