巨人の坂本勇人 (c)朝日新聞社
巨人の坂本勇人 (c)朝日新聞社

 今季のセ・リーグにおいて、シーズンMVPに強く推されているのが、プロ13年目の巨人主将・坂本勇人である。打率.313(リーグ5位)、39本塁打(同2位)、93打点(同4位タイ)。打撃3部門においてチームトップの成績を残している。(※成績などの数字はすべて9月23日時点のもの)

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 1988年12月14日生まれの坂本は、現在30歳。すでに2017年の7月9日に28歳6カ月という史上2番目の若さでの通算1500安打を達成し、昨季の152安打から今季はすでに171安打をマーク。現時点で通算1882安打を放っており、順調に行けば来季中にも名球会入りとなる2000安打を達成。史上最年少の榎本喜八の31歳7カ月に迫る(あるいは超える?)スピード記録となる。

 そうなると“ソノサキ”を知りたく、見たくなる。2000安打達成後も、レギュラーとなったプロ2年目以降の平均年間157安打のペース(9月23日時点)を維持すれば、2023年シーズンに通算2500安打を達成。そして2027年には張本勲に続く史上2人目の通算3000安打の大記録に達し、その張本の歴代最多の通算3085安打を上回るNPB新記録樹立への期待も高まる。

 その“X年”である2027年、坂本は38歳となるシーズン。気になるのは「加齢による衰え」と「怪我による離脱」である。「衰え」に関しては完全には避けられないが、その下降線をどれだけ緩やかにできるか。過去の大打者たちの例を見ると、動体視力の低下が指摘される40歳を手前にして大きく数字を落とす傾向にある。だが、張本がプロ1年目から継続していた年間100安打以上が途切れたのが38歳で迎えたシーズン、イチローがメジャーで10年続けた年間200安打が途切れたのは37歳で迎えたシーズンだったことを考えても“間に合う”はず。

 近年の科学的トレーニングの進化に加え、日本球界にも40歳を越えても尚盛んだった金本知憲、稲葉篤紀といった面々を間近に見ており、今後の肉体管理でまだまだ全盛期を長くすることはできるはず。晩年、仮に坂本のペースが落ちたとしても、40歳までプレーできれば、通算3000安打は十分に射程圏だ。

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“張本超え”の可能性も