被災したジャーナリスト高野孟が語る千葉台風災害「東京五輪はお祈りするしかない」 (4/5) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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被災したジャーナリスト高野孟が語る千葉台風災害「東京五輪はお祈りするしかない」

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高野孟dot.
高野氏の自宅に近い地域で、台風の影響で木が倒れてつぶれかけた家=千葉県鴨川市(c)朝日新聞社

高野氏の自宅に近い地域で、台風の影響で木が倒れてつぶれかけた家=千葉県鴨川市(c)朝日新聞社

高野孟(たかの・はじめ)
1944年東京生まれ。68年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。

高野孟(たかの・はじめ) 1944年東京生まれ。68年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。

 電気がこないことによる間接的な影響も甚大である。有線の固定電話が使えないのは仕方がないとして、困ったのは携帯と無線ネットの電波が来なくなったことで、これは基地局の非常用バッテリーが24時間しか保たないためである。

 実際、9日未明に停電となってその日の夜までは携帯もネットも使えたが、翌日には途切れた。街中の方から順次復旧しつつはあるけれども、我が家の場合は15日現在も不通のままである。遠くの家族・知人との安否確認ができないくらいはまだしも、熱中症など急病人が出ても通報のしようがなく手遅れになったケースあったという。

 また遠く北海道や東北から応援に駆けつけた電気工事作業員が慣れない場所に投入され、携帯で本部の指示を仰ぐことができずに著しく作業効率が悪くなったとも言われる。何もかもが携帯・ネット経由の時代、基地局の非常用バックアップが24時間のままでいいのか、検討が必要となろう。

 また例えば停電で浄水場が操業できずに広域的な断水が起きたり、風はすっかり収まったのに高速道路が何日も閉鎖のままで、なぜなら電気が来ないとゲートの開閉もETCカードの読み取りもできなくなってしまうからだとか、およそ電力系統に頼っている限り何もかも動かなくなってしまうという事態が続出した。それぞれの分野とレベルで、戦略的には系統に頼らないエネルギーの自給自足、地産地消の達成にどう近づいていくかが大事で、しかしそう簡単に自立化が実現しない以上、戦術的には非常時に備えた準備を怠らないことが重要だろう。

■誰も助けには来ない

 私自身が体験しあるいは見聞した限りでは、ガソリン駆動の小型発電機でテレビと冷蔵庫には通電できているという人や、車載インバーターで冷蔵庫だけは守ったという人がいたが、我が家にはその備えがないのでテレビは観られず、冷蔵庫の中身は全部捨てた。

 また我が家にはロウソクやそれと同じ程度の明るさのLEDランプ、手持ちの懐中電灯、野外用のヘッドランプなどはあるが、それらは家の内外を動くのにつまづかかないようにするくらいしか役に立たない。途中からコールマンのキャンプ用の大型ランタンを友人が運び込んでくれたので使い始めると、ホワイトガソリンを気化して点す白光が煌々と輝いて新聞でも何でも読めてしまう。ちょっと待てば停電が治るというのであれば懐中電灯でもいいのだが、このように長期になるとそれを頼りに生活するための本格的な光源が必要なのだと痛感した。


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