近所の方がしみじみと語ったのは「国も県も市も東電も、誰も助けに来てくれないということが今回、身に沁みて分かった。自分を守るのは自分だと思って、あらゆる災害に備えなければならない」ということである。

 それともう1つ、被災した近所の方々の何人もが口にしたことは、「東京五輪の期間にこういう災害が東京を襲わないと誰が保証できるのか。どうして台風名物の国がその季節に五輪など誘致したのだろうか」ということだった。それはもう今さら言ってどうしようもなく、皆でお祈りするほかない。

※『高野孟のTHE JOURNAL』9月16日号より