チビは最初こそ椅子に座って、他の子たちと一緒におにぎりを頬張っていたが、早々に芝生エリアに走り出して行った。

 テントから50メートルほど離れた場所に、子供用の遊具があり、そこに向かって一目散に駆け出したのだ。

 遮るものの一切ない芝生の広場を横切って、私もチビを追いかける。

 遊具に登って遊び出すチビをしばらく補佐し、あまりの暑さに熱中症になりはしないかと怖くなって、チビを抱えてテントに駆け戻る。

 すでに往復100メートルの灼熱走!

 他に遊具で遊んでいる子はいない。

 お茶を飲ませて、私も水分補給をし、さて、お肉を食べようかと腰掛けたとたんに、またチビは遊具めがけてまっしぐらに駆けていく。

 私はまた追いかけて、遊具で遊ぶチビの頭に水をかけかけ、遊びに付き合う。

 こんな感じで3時間。

 抱えてテントに戻るもチビはすぐに駆け出してしまうので、大急ぎで水分補給し、肉を頬張り、飲み込む間もなく、またチビを追いかけるという、給水所がわりにテントに立ち寄るスタイルの、もはやこれはバーベキューなのか? という灼熱地獄の追いかけっこを繰り返し。

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水野さんが切実に思ったこととは?