連名のFAXで結婚を発表した速水もこみちと平山あや (c)朝日新聞社
連名のFAXで結婚を発表した速水もこみちと平山あや (c)朝日新聞社

 オリーブオイル婚。速水もこみち(34)の結婚にはそんな愛称がつけられた。相手の平山あや(35)に関連した要素は入っていない。実際ちょっと影がうすいというか、彼女のキャリアを詳しく思い出せる人は少ないかもしれない。

【写真】かつて熱愛の噂があった女優といえば…

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 平山は98年、ホリプロタレントスカウトキャラバンで優勝。14歳で芸能界入りした。翌年には「可愛いだけじゃダメかしら?」で連ドラデビューを果たし、その後「笑っていいとも!」や「平成教育予備校」といったバラエティにも進出していく。高校は「トレイト(芸能)コース」のある堀越に進み、同期には松本潤、中村七之助、松田龍平、水川あさみといった面々が。なお、02年までは本名の「平山綾」で活躍していた。

 とまあ、悪い滑り出しではなかったが、世に出るタイミングとしては今イチだった。スカウトキャラバンで優勝した夏、2年前のグランプリ受賞者・深田恭子がドラマ「神様、もう少しだけ」で大ブレイク中。また、前年にグラビアデビューした優香(こちらはオーディションではなく、スカウト組)も人気上昇中だったからだ。ホリプロのアイドル戦略は、このツートップを軸に展開されていた。

 その翌々年、事務所創立40周年記念企画として出版された『ホリプロの法則』でも、深田と優香には多くのページが割かれたが、平山は年表部分に名前が出てくるだけだ。しかも、彼女の2年後には綾瀬はるか(審査員特別賞)その2年後には石原さとみ(グランプリ)が登場。彼女は事務所の戦略のなかで、埋もれてしまった感もある。

 さらに、スキャンダルにも見舞われた。2000年10月、写真誌にこんな記事が掲載されたのである。

「モー娘。の次は16歳アイドル『押尾学』土下座口説き現場」

 プレイボーイぶりで鳴らしていた押尾。そのふた月前には安倍なつみとのお泊まりデートが発覚していた。平山の場合は口説かれただけなのに、彼女まで「食われて?」しまったかのような印象を与えてしまったのは、いかにも痛手だった。

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宝泉薫

宝泉薫

1964年生まれ。早稲田大学第一文学部除籍後、ミニコミ誌『よい子の歌謡曲』発行人を経て『週刊明星』『宝島30』『テレビブロス』などに執筆する。著書に『平成の死 追悼は生きる糧』『平成「一発屋」見聞録』『文春ムック あのアイドルがなぜヌードに』など

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