やはり名選手たちからも圧倒的人気を誇る「巨人の星」。次に多く名前が挙がったのが、正当派野球マンガの名作「キャプテン」だ。

 西武中日でスラッガーとして活躍した和田一浩外野手(47)は、

「青春マンガだったでしょ? 大好きでしたね。自分も主人公の谷口くんのようなみんなを引っ張っていける存在になりたいって感動しながら読んでいました」
 
と顔をほころばせる。
 
「弱小チームが強豪チームを倒す構図がおもしろかったですね。セカンドの丸井くんが好きでした。小さな身体でひたむきに頑張る姿に勇気をもらいました」と語るヤクルトで監督も務めた真中満外野手(48)。なんとく丸井くんに似ている?

 巨人からメジャーへ挑戦した高橋尚成投手(44)も、キャプテンの丸井くんを好きなキャラクターとして推していた。

 予想外に票が少なかったのが、こちらも野球マンガの名作「ドカベン」。

 取材をした中では、中日、阪神で活躍、楽天の初代監督の田尾安志氏(65)が唯一挙げてくれた。

「やっばり水島新司作品かな。『ドカベン』や『あぶさん』が好きです」

 そして、意外な人気だったのが、1971年に連載が開始され、テレビアニメにもなった破天荒野球マンガ「侍ジャイアンツ」だ。

 ヤクルトの“ブンブン丸”池山隆寛内野手(53)もこのマンガを挙げた。

「子供の頃、巨人ファンだったので、夢中で読んでいましたね。番場蛮が、いろんな投げ方で相手をねじ伏せるのがおもしろかったです」
 
 ホームラン王を二度獲得した山崎武司内野手(50)も「『侍ジャイアンツ』。巨人ファンだったからね」

 村田真一捕手(55)も「巨人の星」と「侍ジャイアンツ」を好きなマンガに挙げた。
                  
 憧れの名プレイヤーたちも子どもの頃は、野球少年だった。そんな子どもたちをワクワクさせた野球マンガの数々。この夏、改めて読んでみるのもいいかもしれない。(AERA dot.取材班)