年に一度のレジェンドプロ野球選手の祭典「サントリードリームマッチ2019」が29日、東京ドームで開催された。桑田真澄投手、高橋由伸外野手、井川慶投手、ランディ・バース内野手など、ファンにはたまらない夢の対決が実現した。

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 AERA dot.では、試合前の選手たちに緊急アンケート「あなたが好きな野球マンガはなんですか?」を実施。得票数1位は、納得のあの名作マンガ。そして、意外な選手から、意外な答えが続々と返ってきた……。

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 まずは、広島一筋148勝、澤村賞も受賞した大野豊投手(63)が挙げた好きなマンガが「巨人の星」。

「昔の古き良き時代のマンガですよね。家庭環境は決して恵まれてなかったけど努力してプロになった。努力すればいつかは叶うんだよということを教わりましたね」

 好きな登場人物は投手、星飛雄馬ではなく、このキャラクターたち。

「花形満、左門豊作、伴宙太です。やはり飛雄馬もライバルがいたからこそ成長することができたと思うんです。僕自身もそうでした。ライバルなんて言うとおこがましいですが、王貞治さんとの対戦がまさにそれでした。初めて対戦した時に足が震えたのを今でも覚えています。ライバルを打ちとるためにどうすれば良いのか、日々考えて練習に取り組んだおかげで自分自身も成長できたと思っています」

 東尾修投手(69)も、「巨人の星」と即答。「好きなキャラクターは、やはり星飛雄馬ですか?」と質問を向けると、「一徹、オヤジの方だよ」と驚きの答え。この日も孫の理汰郎くんのキャッチボールを指導する姿は、まさに星一徹ばりの熱血指導だった。
 
 “喝!”でお馴染みの張本勲氏(79)も「巨人の星」に一票。

「あの時代はあれくらいしかなかったからね。僕らの憧れでしたもん」

 記録より記憶に残る選手、パンチ佐藤氏も熱い思いを語ってくれた。

「自分も子供の頃、『巨人の星』と似たような家庭環境だったので、非常に思い出深いマンガです。辛いこともあったけど、野球をやっている時だけは、それを忘れられました。人生について大切なことを教わりましたね。だから野球をやっている子供たちにはいつも言っています。ユニフォームを着ている時だけは、『ガッツマンになれ!』。巨人の星は深い話がいっぱいあるんですよ。読んだことない人は絶対読んでほしい」

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青春野球マンガの傑作「キャプテン」