■ファンクラブ解散やアイドル時代の質問NGも

 こうした中、最近ではAKB48グループ卒業生についてある“禊”を果たすことが重要だという話が関係者の間で共通して囁かれるようになったという。

「大手だと最初は事務所の力で仕事が入るんですが、結局その後が続かない。アイドル時代を引きずっていると次なる仕事が入らなくなると言うんです。アイドル時代のファンはあくまでグループにいるその彼女を応援しているので、卒業後に成功しようと思ったらファン以外の支持が必要になる。事務所側もそれを知っているので、最近では“卒業生”というイメージの払拭に躍起です。先日、テレビドラマにコンスタントに出演している元AKB48の渡辺麻友が、ファンクラブの休止を発表したのですが、その理由が女優活動へ本腰を入れるためといわれていました。また松井玲奈もアイドル色を極力排除する方針の様子で、書籍『カモフラージュ』(集英社)を発売した際に、インタビューでは『アイドル時代の話はNG』だというお達しがあったそうです。紹介プロフィールにも、SKE48時代のものは目立って乗せていないですね。」(芸能誌記者)

 実際、同じく元AKB48の宮澤佐江も一時的な活動休止を経て、大手のホリプロへ移籍。同社がプロデュースする舞台へ出演していたが、元アイドルの影は見せていない。ドラマウォッチャーの中村裕一氏は、そんな彼女たちの今後についてこう分析する。

「松井玲奈さんは昨年放送されたドラマ『海月姫』でアフロヘアの鉄オタ・ばんばさんの演技が光っていましたし、山口紗弥加主演のドラマ『ブラックスキャンダル』でも存在感を発揮し、女優として着実に足跡を残している印象です。AKBグループというブランドがあまりにも大きくなりすぎてしまい、なにかと言えば『元メンバー』というフレーズがつきまとうので、卒業生たちにとって現状は確かに厳しいかもしれませんが、女優への道が険しいのは元アイドルでなくても同じ。むしろ若いうちに誰にでもできない、得がたい経験ができたとプラスに考え、プレッシャーをはねのけて躍進して欲しいですね。もしかしたらそのほかの卒業生のなかから女優としてブレイクする人が出てくる可能性も大いにあると思います」

 いずれにしても芸能界で生き残るのは一筋縄ではいかないが、卒業生たちが今後活躍することによって、後輩たちに新たな道を開くのかもしれない。(黒崎さとし)