横浜DeNAベイスターズの私設応援団「全国星覇会」(写真:全国星覇会提供)
横浜DeNAベイスターズの私設応援団「全国星覇会」(写真:全国星覇会提供)
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 中日ドラゴンズの応援団が使用する応援歌「サウスポー」が自粛となっている問題で、球界がザワついている。きっかけは、与田監督が歌詞の中で選手を「お前」と呼ぶ表現が子ども達に悪影響があるのでないかと指摘したことだった。発言をうけて、ファンは困惑。ワイドショーなどでも取り上げられる事態となった。

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 そもそも応援歌は選手を後押しするものであり、試合展開をドラマチックに演出する、メジャーにはない日本野球の醍醐味の一つ。プロ野球観戦にはなくてはならないと感じるファンも少なくないだろう。ただ、応援歌が一体どのように作られているのかは、あまり知られていないのではないだろうか。

 応援歌が出来るまでについて、横浜DeNAベイスターズの私設応援団「全国星覇会」の倉橋亮太さんに話を聞いた。

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 ちなみにプロ野球の応援団は、球団を通じて日本プロ野球機構に登録を申請し、許可を受けなければ活動はできない。もちろん全国星覇会も許可を受けた応援団の一つだ。

 横浜DeNAベイスターズ(以下、DeNA)の公式サイトでは、応援歌を歌詞付きで公開している。「球団歌」、「応援歌」、「選手応援歌」、「テーマ別応援歌」などが確認できる。「球団歌」と「応援歌」については球団が制作を担当。「選手応援歌」と「テーマ別応援歌」は応援団が制作をしている。

「応援歌に関しては、基本的に歌詞よりも先にメロディを制作します。『全国星覇会』では、私を含め作曲できるメンバーが3人。作り方は人それぞれですが、私の場合は、思いついたメロディを鼻歌などでスマホのメモ機能などに録音しておいて、のちに作曲アプリで制作していきます。思いついた時にできるだけ録音するようにしているので、常時4、5曲はストックがありますね」(倉橋さん)

 歌詞やメロディについては、球団から指示などは受けたことはなく、自由にやらせてもらっているという。

 今回、話題となっている中日の「サウスポー」は、主に試合終盤の展開で好機の場面などに使われるチャンステーマと呼ばれるアップテンポな応援歌。原曲は、昭和アイドル、ピンクレディーの1978年の大ヒット曲だ。

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歌詞のこだわりとは?