田村耕太郎さん
田村耕太郎さん
※写真はイメージです(node / PIXTA)
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「アホとは戦うな。時間の無駄である」と提唱する、元政治家であり、現在はシンガポール・リークアンユー政治大学院で教鞭を執る田村耕太郎さん。しかし、シリーズ75万部を突破した著書『頭に来てもアホとは戦うな!』の読者からは、「それでも戦ってしまう……」と多くの悩みの声が寄せられているという。日々の仕事・暮らしの中で「アホ」に悩んでいるあなたに、ちょっとでも気持ちが楽になるヒントを田村さんが提案する連載「アホから解放される相談室」。今回は「家事や子育てに非協力的なアホな夫」について。

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【相談】
 夫の家事の非協力ぶりに悩んでいます。
 
 もともと夫と私は仕事で出会い、付き合うようになりました。彼は、あまりにも仕事ぶりが優秀で、憧れるような存在でした。成果は出すし感情はぶれないし、ちょっとした王子様のような存在で、関係者でも彼を狙っている女性は多かったと思います。

 しかし、結婚して子供が生まれてから、少しずつ彼を尊敬する気持ちがなくなってしまっていることに気が付きました。
 
 こちらがやってほしいことに全く気付かなかったり、自由で自分のペースを崩さなかったり、独身と同じ感覚で趣味に時間や金銭を注いでいたり……、私だって働いているのに、私ばかり犠牲になっているように感じてなりません。夫が大きな子供のように感じられるときがあります。
 
 彼はプライドが高く、ちょっとした指摘をしてもすぐ不機嫌になります。
 
 彼に、自分のことよりも子供や家庭を優先してもらうためには、どんな働きかけが必要でしょうか。

■人生を生き抜く同志だと思い直す

 これは、結婚に限らず、就職や進学・留学でもよくある期待値マネジメントの問題だと思います。

 憧れや尊敬は遠くにいる場合に持続しやすく、近くにいて色々見えれば薄れていくものです。

 遠くにいても時間の経過で劣化していきます。あなたの尊敬する人物が、子供時代と変わってきているのがいい例だと思います。

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田村耕太郎

田村耕太郎

田村 耕太郎(たむら・こうたろう)/国立シンガポール大学リー・クアンユー公共政策大学院兼任教授。ミルケン研究所シニアフェロー、インフォテリア(東証上場)取締役、データラマ社日本法人会長。日本にも二校ある世界最大のグローバル・インディアン・インターナショナル・スクールの顧問他、日、米、シンガポール、インド、香港等の企業のアドバイザーを務める。データ分析系を中心にシリコンバレーでエンジェル投資、中国のユニコーンベンチャーにも投資。元参議院議員。イェール大学大学院卒業。日本人政治家で初めてハーバードビジネススクールのケース(事例)の主人公となる。著書に『君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?』(マガジンハウス)、『野蛮人の読書術』(飛鳥新社)、『頭に来てもアホとは戦うな!』(朝日新聞出版)など多数

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