自分を変えるには、周りにいる人を変えるのが一番早いと思います。それは、人間は非合理的な生き物で、どんな論理的だと自負している人でも、間違いなく一緒に時間を過ごす人々に知らない間に深く影響を受けているからです。

 周りにいる人を変えるには、あなたが最も時間を過ごす場所を変えるのが早いです。そうすれば自動的に周りにいる人は変わります。

 自分の変化に知るには、日記のようなものを付け続けることがベストだと思います。それを読み返すと信じられないくらい自分が変わっていることがわかります。ほとんどが一緒にいる人の影響だと間違いなく思います。

 私は最近、子供に対していろいろと「変わってほしい」と思う点があるのですが、そのためにはまずは「自分が変わるしかない」というのが現時点での私の結論です。

 相手は、所詮自分の鏡のようなものだと思います。叱っても、最近は自分を叱っているような虚しさを感じていました。もちろん、どうしても叱らないと怪我したり他人を傷つけたりしかねない場面もありますが、基本的に叱ることは結局何の解決にもなりません。
自分が変わると、そこをコピーしてくるので、相手も変わってきます。

 自分を変えるのは難しいことですが、意外に最も簡単な手段でもあります。

 あるいは、ある局面でかけられた一言でも、人間は変わる場合があります。もちろん、あなたがそれに響くような準備ができていないといけませんが。

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田村耕太郎

田村耕太郎

田村 耕太郎(たむら・こうたろう)/国立シンガポール大学リー・クアンユー公共政策大学院兼任教授。ミルケン研究所シニアフェロー、インフォテリア(東証上場)取締役、データラマ社日本法人会長。日本にも二校ある世界最大のグローバル・インディアン・インターナショナル・スクールの顧問他、日、米、シンガポール、インド、香港等の企業のアドバイザーを務める。データ分析系を中心にシリコンバレーでエンジェル投資、中国のユニコーンベンチャーにも投資。元参議院議員。イェール大学大学院卒業。日本人政治家で初めてハーバードビジネススクールのケース(事例)の主人公となる。著書に『君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?』(マガジンハウス)、『野蛮人の読書術』(飛鳥新社)、『頭に来てもアホとは戦うな!』(朝日新聞出版)など多数

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