バックアップの理想は分散保存。複数の媒体・場所に保存するほど安全性は高まる。「いつかは保存したデータは消える」という前提で、定期的にコピーを繰り返す必要もある(イラスト/やまもと妹子)
バックアップの理想は分散保存。複数の媒体・場所に保存するほど安全性は高まる。「いつかは保存したデータは消える」という前提で、定期的にコピーを繰り返す必要もある(イラスト/やまもと妹子)
クラウドサービスでファイルをアップロードしたり読み込んだりするには、ウェブブラウザーを使うのが一般的だが、パソコン用の管理ソフトもある。画像を保存するフォルダーを指定しておけば、あとは追加されるたびに自動でアップロードされる。GoogleフォトやOneDriveでは、スマートフォンで写真を撮ると自動でアップロードされるようにもできる。値段はそれなりなので、絶対必要なものなどに限定してもよいだろう(イラスト/やまもと妹子)
クラウドサービスでファイルをアップロードしたり読み込んだりするには、ウェブブラウザーを使うのが一般的だが、パソコン用の管理ソフトもある。画像を保存するフォルダーを指定しておけば、あとは追加されるたびに自動でアップロードされる。GoogleフォトやOneDriveでは、スマートフォンで写真を撮ると自動でアップロードされるようにもできる。値段はそれなりなので、絶対必要なものなどに限定してもよいだろう(イラスト/やまもと妹子)
海外だったり何日も泊まったりするような撮影では、外出先でもバックアップをとりたい。メモリーカードにしかない状態では不安だ。最も簡単なのはスマートフォンに転送。さらにクラウドストレージなどへのバックアップもできる。もちろん、ノートパソコンを使ってモバイルSSDやクラウドに保存してもいい(イラスト/やまもと妹子)
海外だったり何日も泊まったりするような撮影では、外出先でもバックアップをとりたい。メモリーカードにしかない状態では不安だ。最も簡単なのはスマートフォンに転送。さらにクラウドストレージなどへのバックアップもできる。もちろん、ノートパソコンを使ってモバイルSSDやクラウドに保存してもいい(イラスト/やまもと妹子)

 バックアップは、その名のとおりメインのサブになるべきもの。つまり、写真データのバックアップとは、メインの保存先があって、その保険として別に保存するということ。同じデータが2カ所に存在することになる。複数箇所に保存していれば、どこかが壊れても、二度と取り出せないということにはならない。これがバックアップだ。

【用途に合わせたクラウドサービスを使おう。イラストはこちら】

■SDメモリーカードに保存しっぱなしか

 そもそも、デジタルカメラで写真を保存するのはカメラに挿入したメモリーカードだ。これをパソコンに取り込んで保存すれば、バックアップとしては成立する。ただし、メモリーカードのデータは消さないのが前提で、メモリーカードがいっぱいになるたびに買い替える必要がある。

 そしてメモリーカード自身の寿命も考慮する必要がある。SDメモリーカードは一般的に、使用しないと5年程度で保存したデータに影響が出るといわれている。読み出せなくなってしまう前に、別の媒体にコピーし直す必要がある。

 また、パソコンにコピーしただけで安心してはいけない。パソコンの記録媒体で使われているハードディスク(HDD)は高速で回転する円盤に磁気で記録するため、可動部品が多く故障しやすい。駆動部がないソリッドステートドライブ(SSD)でも、書き換え回数に上限があるので、いつか必ず使えなくなる。どちらも消耗品なのだ。そこで、さらに外付けHDDなどに写真データをコピーすることになる。

 また外付けHDDに似ているが、ネットワークアタッチトストレージ(NAS/ナスと呼ぶ)は、比較的安全性が高い。NASはネットワークに接続する外付けHDDと考えて構わない。ただ、多くのNASでは、複数のHDDが内蔵され、そのどれかが壊れてもデータを失わないようにするRAID(レイド)という仕組みに対応している。NASの中のHDDが1台壊れても回復できるようになっている(外付けHDDでも同様の機能を持つものもある)。

 家庭内のどのパソコンからでもアクセスできるほか、スマートフォンからも利用できる製品もある。インターネット経由で外出先から保存しているデータを見たり、写真を保存したりする機能を有するものもある。

 ただし、外付けHDDにしろNASにしろ、いつかは壊れる可能性があるので、パソコンからデータを消すのであれば、別のバックアップが必要になる。

次のページ
手間はかかっても、光学メディアに保存