人口が少ない地域での出店にあたり、同社は、店の営業時間や取り扱う商品をそれぞれの地域の状況に合わせて設定するなどの工夫をしているという。「過疎地への出店では生鮮食品を充実させるようにしています。札幌保健医療大学店では、店内調理のホットシェフやイートインコーナーを設けて学食の機能を兼ねたり、文具を多く扱ったりしています」(広報担当者)。バス待合室として店舗を利用、店舗前のスペースを活用してイベントを開催する、といったケースもある。

 農林水産省の資料によると、店舗まで直線距離で500メートル以上、かつ65歳以上で車を利用できない「食料品アクセス困難人口」は、2015年時点で、全国で推計約825万人。10年前と比べて21.6%増えた。特に、東京、名古屋、大阪の三大都市圏での増加が目立つという。買い物弱者は、過疎地だけの問題ではないのだ。

 セコマは、今後も地域特性や立地、出店条件などから、店舗サイズや取扱商品、営業時間などを柔軟に考え、出店を検討していくという。通信販売のセイコーマートオンラインも充実させていく予定だ。今後の展開にも注目したい。(ライター・南文枝)