同社の広報担当者によると、初山別村店の場合、(1)村有地への出店であったこと、(2)来客頻度や客単価アップのため、お客さまの要望に合わせた品ぞろえに努めていること、(3)たとえ赤字が出たとしても、商品の製造や物流なども含めると、グループ全体では利益を挙げられることなどにより、採算が取れているという。

 同社は初山別村への出店で、ハスカップやヨモギなど、これまでよく知らなかった村の特産品を生かした商品開発も手掛けるようになった。宮本村長も「地元の産品を活用して、商品に付加価値を付けるのは大事なこと。セコマと協力しながら次の展開を考えたい」と話す。また、今後については、「高齢者が多いため、コンビニまで買いに行くのも大変。配達などの仕組みも検討しなければいけないし、コンビニの働き手の確保も大きな課題だ」。

 セコマは初山別村への出店以降、札幌保健医療大学店(札幌市、2017年4月)や東滝川店(滝川市、17年5月)、上渚骨店(紋別市、17年8月)など、これまであったスーパーが撤退し、周辺に商店がなくなるなどした地域での出店を進めている。19年3月末現在、北海道や茨城、埼玉で1190店を展開し、統計調査で人口3000人以下の30町村に34店を出店している。

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