大:ものすごくお忙しいのに、夜は毎日のように原稿が届きましたね。それに朝も届いて、夕方も届いて……。

山:……迷惑でした!? やたらめったら送ってきやがって、みたいな言い方ですけど!

大:正月にも届きました(笑)。

山:……迷惑でした!?(笑) 僕、締め切りをめちゃくちゃ前倒しで行ったと思うんですよね。

大:収録とかライブとかでお忙しかったはずなのに、10日以上前倒しでいただいてますね。。

山:年末年始はお仕事もないし、芸能人だったら年末年始で海外旅行とか行ったりするけど、僕にはそういうことやってくれる友達もいないし。旅行も1泊2日で両親と行くだけだから、正月はけっこう時間があるんです。そこで楽しかったのが、ベースとなる『天才になりたい』の原稿を読んで、気になるところに線を引いて書き直していく作業。もう地図がある程度あって、そこに色々と足していく感じがけっこう楽しくて。でも、ほとんどというか全く原形をとどめてないでしょ。

大:ここまで直してくれるとは思っていなくて、最初に原稿をいただいた時に、すごくびっくりしました。

山:加筆修正でなく、新しく作ったようなものかも。時を経て、古くさくて恥ずかしい表現は消しました。『天才になりたい』には、「オレは“例えツッコミの男”だから、この感じで例えます!」みたいな例えが散りばめられている。ボケも、「2006年の安いボケしてんなあ」というものも多くて。そういう部分は全部直して、バージョンアップしました。

大:山里さんはいつもメールで「すごく楽しいです。こんな機会をくださってありがとうございます」「何でも言ってください」とおっしゃっていました。こんな腰の低い方がいらっしゃるんだと思って、いちいち感動していました。

山:ホントにそこなんです。怒ることもなく、腰が低く丁寧で。そうなんです、私はそういう人間なんです。それが全然、世に伝わっていないんですけど。

■親友からの愛にあふれた解説

大:オードリーの若林さんに、解説を書いていただきました。

山:この本を買った人たちのほとんどがね、あそこが本編だって言いやがる。本編は長めの滑走路だって。

大:ご本人からも感想をお聞きしましたか?

山:「天才はあきらめたとか言いながら、“そんなことないよ”のカツアゲやめてくださいよ~」って言ってましたね。アイツはそういうやつですから。

大:ダメもとでお願いして、先方からは「長めの執筆時間を確保してほしい」と言われていたんですけど、山里さんの原稿をお渡しした翌週には、解説原稿が届いたんです。びっくりしました。分量も多くて。若林さんからは、「自由に削ってください」と、言われました。

山:大坂さんから、「これは若林さんからのラブレターですから、私は1文字も削れません」と、わかちゃん(若林さん)の原稿が送られてきた。それで全部のせましょうってなりましたね。でもそしたらそこが、本編1項目分くらいの大作になっちゃった(笑)。

大:泣きました?

山:泣けたわ~。「ごめんね~、わかちゃん。破局の時に喜んで」って思ったもん。

(構成/松田明子)