続いたのはともに昨年のドラフト会議では4球団から1位指名を受けた小園海斗(広島)と根尾昂(中日)の高校卒ルーキー二人。特に小園はオープン戦でも2本塁打を放ち、既に一軍でも通用するところを見せつけた。高校3年時に明らかに体が一回り大きくなり、打球の速さも申し分ない。ショートの守備、積極的な走塁もルーキーとは思えないレベルにある。二遊間はタナキクコンビがいるため、まずは二軍で実戦経験を積むというのが既定路線だが、場合によってはレギュラーの固定されていないサードでの一軍起用が多くなるかもしれない。一方の根尾はキャンプ入り直前の故障で出遅れ、今のところは二軍暮らしが続いているが、3月23日の二軍戦ではレフト方向に一発を放ち、そのポテンシャルの高さを改めて見せつけた。不動のレギュラーと見られていた京田陽太が攻守に精彩を欠くプレーが目立つだけに、カンフル剤として早い段階での一軍抜擢も期待できるだろう。

 即戦力の野手という意味では阪神の近本、木浪の社会人入団コンビの二人を挙げたい。近本は“外れ外れ”の1位ながら、社会人ナンバーワン外野手の評判通り高いレベルで三拍子揃ったプレーを見せており、外野の一角を奪う勢いだ。木浪は入団前の知名度はそれほど高くなかったものの、オープン戦で球団の新人最多安打記録を塗り替える22安打をマークし、近本とともに開幕スタメンが濃厚となった。大学ではもう一つ伸び悩んだものの、社会人で成長してプロ入りした点は同じ阪神の先輩である糸原健斗と重なるところがある。昨年、貧打に悩まされたチームを救う存在として期待が高い。

 プロ入り2年目以降の野手では坂倉、塩見、細川にレギュラー獲得の期待度が高い。坂倉は一昨年、高校卒ルーキーながら二軍で3割近い打率を残し、ファーム日本選手権でもMVPを獲得。捕手だが俊足も持ち合わせており、外野手としても期待されている。塩見は昨年オフの台湾ウインターリーグで打率、本塁打の二冠に輝いた。今年のキャンプ、オープン戦でもアピールを続けており、ベテラン揃いの外野手の希望の星として期待が高い。細川は高校卒3年目の右のスラッガー。粗さは残るもののフルスイングの迫力はチームでもトップクラスであり、将来の中軸としてラミレス監督からの期待も高い。

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投手でトップ評価は…