ロンドンブーツの過激さは復活するか? (c)朝日新聞社
ロンドンブーツの過激さは復活するか? (c)朝日新聞社

 テレビ番組は視聴率が命である。特に、視聴率が広告収入に直結する民放では、それは絶対的なものだと見なされる。バラエティ番組の視聴率が下がってくると真っ先に行われるのが「テコ入れ」と言われるものだ。新しい企画を試したり、出演者を入れ替えたりすることで、危機的な状況から脱しようとするのである。

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 それでも視聴率が伸び悩んでいる場合には、局として対処をしなければいけない。視聴率が低いバラエティ番組がたどる道にはいくつかのパターンがある。1つ目は、そのまま打ち切りにするということ。2つ目は、レギュラー放送を終了して、特番として不定期で復活する形にすること。企画自体が悪くはないと判断されている場合には、その方法が選ばれることがある。

 3つ目は、放送枠を移動してレギュラーを継続するということだ。視聴率が上がらない原因の1つとして、裏番組が強いということが考えられる。同じ時間帯で支持者の多い裏番組がある場合には、どうがんばっても視聴率を伸ばすのが難しいことがある。それならば、放送枠を変えることで、新しい層を開拓して視聴率を取る、ということが考えられるのだ。

 もちろん、放送枠移動にはリスクもある。もともと放送されている番組には、十分ではないとしても一定数の視聴者がついている。放送枠を移動すると、その人たちが別の放送枠で始まった番組の存在に気付かず、離れていってしまう可能性もある。だからこそ、これは追い込まれた番組の最後の手段ということになる。

『金曜★ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)は3つ目の道を選ぶことになった。この番組は、1999年の放送開始以来、『イナズマ! ロンドンハーツ』『ロンドンハーツ』などと番組名と放送枠を変えながらゴールデンタイムで続いてきたのだが、最近は視聴率低迷に悩まされてきた。2016年には、もともと火曜夜9時に放送されていた『ロンドンハーツ』が放送枠を金曜夜9時に移動して『金曜★ロンドンハーツ』になっていた。

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ラリー遠田

ラリー遠田

ラリー遠田(らりー・とおだ)/作家・お笑い評論家。お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり<ポスト平成>のテレビバラエティ論』 (イースト新書)など著書多数。近著は『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)。http://owa-writer.com/

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