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地震後に家族の認知機能が悪化? 調査結果からみる疾患や飲料水の「認知症リスク」

連載「ちょっとだけ医見手帖(山本佳奈医師)」

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◯山本佳奈(やまもと・かな) 1989年生まれ。滋賀県出身。医師。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員

◯山本佳奈(やまもと・かな) 1989年生まれ。滋賀県出身。医師。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員

認知症になりたいと思っている人はいないと思いますが、なってしまったとしても自分ではそんな状況を理解できないのが「認知症」(写真:getty images)

認知症になりたいと思っている人はいないと思いますが、なってしまったとしても自分ではそんな状況を理解できないのが「認知症」(写真:getty images)

 現在、アルツハイマー型認知症の進行を遅らす薬は開発されていますが、根本的に完治させる治療法はないのが現状です。となると、認知症を予防するにはどうすればいいのか、認知症のリスクを上げる原因は何か、といったことが気になるところですよね。

■認知症リスク要因の調査

 米国のジョンズ・ホプキンス大学のRebecca医師らが、米国の4つの地域の44~66歳の15744名を対象に25年間追跡調査した結果、喫煙や糖尿病、高血圧とその後の認知症のリスクの上昇が関連していたことがわかりました。

 また、スウェーデンのヨーテボリ大学のHelenaらが、スウェーデン女性191名を対象に44年間追跡調査した結果、有酸素運動の強度が高いほど、認知症のリスクが減少することがわかりました。また、中程度と比較して、強度が高い有酸素運動は、認知症の発症年齢を9.5歳遅らせ、認知症発症までの時間を5年遅らせたのです。

 さらに、米国のボストン大学のMatthewらが、45歳以上の脳卒中の患者2888名と、60歳以上の認知症の患者1484名を対象とした調査によると、砂糖の甘味飲料水は、脳卒中や認知症と関連がなかったものの、人工甘味料の入った飲料水の摂取量の増加は、脳卒中や認知症との関連があることがわかりました。

 人工甘味料の入った飲料水は、日本であればどこでも手に入る環境があります。意識せずとも、そういった飲料水を飲んでいる方はきっと多いのではないでしょうか。

■権威ある医学誌には…

 世界的に権威のある医学誌「NEJM」が2017年12月19日に掲載された総説には、残念ながら「高齢者の認知症予防のための魔法の得策はない」とはっきり書かれています。人工甘味料の飲料水を控えることや、定期的な運動、糖尿病の予防または管理、禁煙、健康的な食事と体重の維持など日々の心がけを行うことが、今のところ、認知症の予防や健康に過ごす近道なのでしょう。

 認知症になりたいと思っている人はいないと思いますが、なってしまったとしても自分ではそんな状況を理解できないのが「認知症」。普及し始めた遠隔診療とまでは行かずとも、介護している両親や祖母の離れた場所からでも可能なこのようなサポートをしたいと考えています。

◯山本佳奈(やまもと・かな)
1989年生まれ。滋賀県出身。医師。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー、CLIMアドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)


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山本佳奈

山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師。2015年滋賀医科大学医学部医学科卒業。ときわ会常磐病院(福島県いわき市)・ナビタスクリニック(立川・新宿)内科医、特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所研究員、東京大学大学院医学系研究科博士課程在学中、ロート製薬健康推進アドバイザー。著書に『貧血大国・日本』(光文社新書)

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