田村耕太郎さん
田村耕太郎さん

逃げるか、戦うか。どうする!?(※イメージ写真)
逃げるか、戦うか。どうする!?(※イメージ写真)

「アホとは戦うな。時間の無駄である」と提唱する、元政治家であり、現在はシンガポール・リークワンユー政治大学院で教鞭を執る田村耕太郎さん。しかし、65万部を突破した著書『頭に来てもアホとは戦うな!』の読者からは、「それでも戦ってしまう……」と多くの悩みの声が寄せられているという。

 日々の仕事・暮らしの中で「アホ」に悩んでいるあなたに、ちょっとでも気持ちが楽になるヒントを田村さんが提案する連載「アホから解放される相談室」。今回は「アホと戦うとき、戦わないときの見極め方」について。

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【相談】「アホと戦うな」は、確かに頭では理解できるのですが、私にはどうしても納得できません。「戦うな」という対処法では、逃げているだけで本質的な解決にはつながらないのではないでしょうか。

 つまり、自分が戦わずになんとかやり過ごしても、必ず次の犠牲者が出てしまいます。だからこそ、問題人物には、一度言動を改めさせるアクションが必要なのかと思っています。つきましては、ぜひ田村さんに二つお伺いしたいことがあります。

(1)戦うべきとき、戦ってはいけないときの見極めはどこにあるか?
(2)いざ言動を改めさせたいとき、どのようなアクションを起こしたらいいのか。

 ぜひ教えてほしいです。よろしくお願いいたします。

■大事なのは「頭に来てもアホ“とは”戦うな」

 私の本のタイトルは「頭に来てもアホ“とは”戦うな」です。

 つまり、アホ限定で戦うことの禁止を訴えているのです。だから、アホではなく、価値ある戦いなら挑めばいいのです。

 価値ある戦いとは何か? 私は自著で一貫して「自分の人生を生きる」ことをお勧めしております。自分の人生を生きることにつながるなら――。例えば、アーティストのオーデションで自分がやりたい役は一つしかなく、それを巡って何人も立候補しているとか、首相になってライフワークとしてやりたい政策があるのにライバルがいっぱいというシチュエーションとか、そういう場合はどんどん戦ってください。

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田村耕太郎

田村耕太郎

田村 耕太郎(たむら・こうたろう)/国立シンガポール大学リー・クアンユー公共政策大学院兼任教授。ミルケン研究所シニアフェロー、インフォテリア(東証上場)取締役、データラマ社日本法人会長。日本にも二校ある世界最大のグローバル・インディアン・インターナショナル・スクールの顧問他、日、米、シンガポール、インド、香港等の企業のアドバイザーを務める。データ分析系を中心にシリコンバレーでエンジェル投資、中国のユニコーンベンチャーにも投資。元参議院議員。イェール大学大学院卒業。日本人政治家で初めてハーバードビジネススクールのケース(事例)の主人公となる。著書に『君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?』(マガジンハウス)、『野蛮人の読書術』(飛鳥新社)、『頭に来てもアホとは戦うな!』(朝日新聞出版)など多数

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