■デビューのきっかけは大女優の甥っ子だったから

 さらに、「偏食家な一面も……」と語るにはスポーツ紙の芸能担当記者だ。

「『目玉焼きの食べ方が変』と言われるという賀来。実際、バラエティー番組で食べ方を披露したのですが、醤油をジョバジョバと6~7周も回しかけていたんです。納豆も付属のたれを入れた後に、ヒタヒタになるまで醤油を入れる。こんな感じなので、醤油はすぐになくなってしまうそうで、食生活も変わってますよね。そんな賀来さんですがある意味、自身にブレない軸があるからこそ個性的な人として周りに映るんだと思います。役者業においても、一貫してコメディーを演じ続けてきたからこそ、頭角を現してきたのだと思います」

 芸能リポーターの川内天子氏は、賀来の魅力についてこう語る

「もともと、叔母である大女優の賀来千香子さん(57)の紹介で、芸能界に入った賀来賢人さんですが、役者の勉強をしてきたわけではなく、デビュー直後は自らの力量不足に悩んだと思うんですね。ですが、いろんな作品に出て、錚々たる先輩たちの演技を見ていくなかで、いつしか本気で俳優業と向き合うことを決意し、演じることの意欲がわいてきたんでしょう。舞台では安田顕さん(45)やユースケ・サンタマリアさん(47)など、個性派の先輩俳優に揉まれ、近年は福田監督に鍛えられ、いわゆる三枚目の演技ができるようになった。『花子とアン』(NHK、2014年)では、ナレーションを担当した美輪明宏さんが、賀来さんの演技を大絶賛したといいますが、今後さらにどんな演技を見せてくれるかとても楽しみです」

 正統派イケメンでありながら、抜群のコメディー演技で独自のポジションを築きつつある賀来。今後も持ち味を存分に発揮すれば、個性派俳優として息の長い活躍が期待できそうだ。(ライター・丸山ひろし)

著者プロフィールを見る
丸山ひろし

丸山ひろし

埼玉県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集業務に従事。その後ライターに転身し、現在はウェブニュースや、エンタメ関連の記事を中心に執筆している。

丸山ひろしの記事一覧はこちら