65歳白血病と26歳精巣腫瘍 二人のサバイバーが語ったがんになってわかったこと (1/5) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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65歳白血病と26歳精巣腫瘍 二人のサバイバーが語ったがんになってわかったこと

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自分の努力ではどうにもならないことがあることを知った上野創さん(撮影/片山菜緖子)

自分の努力ではどうにもならないことがあることを知った上野創さん(撮影/片山菜緖子)

仕事人間だった粕谷卓志さんは、改めて家族の大切さを感じたという(撮影/片山菜緖子)

仕事人間だった粕谷卓志さんは、改めて家族の大切さを感じたという(撮影/片山菜緖子)

 日本人の2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんで死亡する時代、がんは私たちの身近に存在している。それでも多くの人は「自分だけはがんにならない」という思いで日々の暮らしを営んでいるのだはないだろうか。定年まで勤め上げた会社を引退後、これから第二の人生を楽しもうとした矢先に白血病の告知受けたジャーナリスト。働き盛りの20代にがん宣告を受け恋人とともに途方に暮れた若き記者。がんに対する向き合い方、病との戦い方、医者・病院との付き合い、家族の支え、そして再発の恐怖……。「がんはあきらめてはいけない」というメッセージを届けたいと、世代を超えた二人のがんサバイバーが語り合った――。

【定年退職に白血病の告知を受けたという粕谷卓志さんはこちら】

※「がん『告知』と『治療』で究極的に大事なこととは? 65歳白血病と26歳精巣腫瘍の『がん対談』」よりつづく

*  *  *
■「治療」

上野:新薬の副作用は事前に説明されていた内容と比べてどうだったんですか?

粕谷:新薬と従来の抗がん剤の併用療法をしましたが、幸い脳梗塞や心筋梗塞といった重篤な副作用は出ませんでした。吐き気もなかったですね。食べられなかった期間は治療に入る前の、集中治療室で過ごした9日間だけです。食事ができるようになると最初は重湯が出て、0.3グラムの塩がついてくるんです。あぁ、塩ってこんなにうまいものなんだと。あのおいしさは一生忘れません(笑)。病院食はひな祭りならちらし寿司というように、七夕や中秋の名月といった行事にちなんだ食事が出てきたり、メッセージが添えられていたり配慮されていて、食事は楽しみでした。

 大変だったのは、8クール目で点滴がうまく入らずに漏れてしまったとき。抗がん剤ではなかったのですが、薬の入った生理食塩水でも腕がパンパンに腫れて、点滴針を固定するテープを剥がしたら皮膚まで破れました。痛いし、この傷口から感染でもしたら、8クール頑張ってきた意味がないと焦って、つい「もう少しうまく点滴を入れてくれればいいのに」などと、人を恨みたくもなるんです。でも「これだけ抗がん剤をしていると血管はもろくなっていて、ちょっとした接触でもじわじわ浸透していくこともありますから」という医師の説明を聞いて、それもそうだよなと思えました。ポジティブ思考に切り替えて、乗り越えていくしかありませんからね。


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