かつては首位打者に輝いたこともあるハンリー・ラミレス(写真:getty Images)
かつては首位打者に輝いたこともあるハンリー・ラミレス(写真:getty Images)

 昨オフは大物と呼べるメジャーリーガーの来日がほとんどなかった日本のプロ野球。メジャー通算51勝と実績ではトップクラスの右腕ディロン・ジー(中日)には大きな期待がかかったが、右手の血行障害で4月末に戦線離脱し、わずか4試合の登板で0勝3敗、防御率4.00にとどまって退団を余儀なくされた。果たして、今オフこそは活躍できそうな大物の来日が実現するだろうか。

 早い段階で来日の可能性が取り沙汰されたのは、元本塁打王のホセ・バティスタ。長くブルージェイズの主砲として活躍したスラッガーで、2010年に54本塁打、2011年も43本塁打で2年連続のタイトルを獲得した。オールスターにも2010年から6年連続で選出された掛け値なしの大物だ。

 とはいえ、ここ数年は成績が落ち込み、今季は開幕しても所属先が決まらず4月半ば過ぎにようやくブレーブスとマイナー契約。ところが12試合で打率.143、2本塁打とさっぱりで、約1カ月で解雇されてしまった。その後はメッツと契約して83試合に出場するも、やはり打率2割そこそこで9本塁打がやっと。8月にはフィリーズへトレードされるも、ここでも27試合で2ホーマーに終わった。同一シーズンに同地区の3球団でプレーするというめったにない経験こそしたが合計13本塁打と、やはり10月に38歳となった衰えは否めなかった。

 それでも打率こそ低いが選球眼はよく、四球を選べるため出塁率はまずまずというのは日本のプロ野球向きだ。メジャー通算344本塁打のパワーが、日本でまだ通用するようならおもしろい。もっとも、バティスタに興味を示していると伝えられたロッテが、その後にパワータイプの外国人打者のバルガスを獲得。バティスタまで手を広げるかどうかは微妙になってきた。

 バティスタに勝るとも劣らない実績を誇る強打者エイドリアン・ゴンザレスも、来日する可能性を報じられた大物のひとり。オールスター選出5回、一塁手としてゴールドグラブ賞を4回、シルバースラッガー賞を2回獲得し、メジャー通算317本塁打、2050安打を誇るゴンザレスは、パドレスやドジャースで活躍してきた。

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かつての首位打者も可能性のある一人