しかし、妊娠中はそっちよりもお腹である。

 どんどん大きくなるお腹に目を奪われて、バストの変化にはさほど気がいかない。

 見下ろした時、真っ先に目に飛び込んでくるのはお腹である。

 臨月には1メートル。

 真夏の妊婦だった私は、この時、人生で初めて、胸の下エリアに汗がたまるという経験をした。

 この時は、出産後にちゃんと母乳が出るかどうか、それがすごく心配だった。

 赤ちゃんに母の免疫を渡してあげたいという気持ちも、もちろんあったが、

「母乳を飲んでもらって体重を戻したい」

 という思いが、ぶっちゃけ強かった。

 妊娠後期の辛い体重コントロール。

 産んだ後にも続けるなんて考えたくない!

 母乳で育てたという知り合いはみな、

「母乳をあげているだけで体重が戻った」

 と言う。

 それ!

 私もそれがいい!

 しかし、こればっかりは産まなきゃ分からない。

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やがて、母乳育児の大変さを知る…