さて、では“人格者ふう”になるにはどうしたらいいのか。

 これには瞑想が役に立ちます。メンタルがとても強くなります。

 瞑想には色々と技法がありますが、私はざっくり言うと「呼吸法」だと思っています。深くゆっくり呼吸するスキル。それをコンスタントに日常で再現できることだと思っています。

 雑念は取り除く必要はないと思いますし一般人には不可能です。しかし、感情に起伏があるとき、間違いなく呼吸が乱れています。呼吸が浅くなった時に怒りや焦りが発生しています。

 そういうときに、無理に気を沈めようとすると、かえって怒りや焦りが増すことがあります。そうではなく呼吸に集中するスキルを磨くことで、感情がコントロールできるのです。そうすると余裕も出てポジティブになり認知能力も深まります。感情がコンスタントになるだけで、人格者ふうになれるのです。

「大人の対応」というのは「呼吸法」にあるのだなあと思うことが多々あります。大人(たいじん)はスピード感ある仕事をやっていても、ゆったりしています。

 実はこの方法は、子供にも教えてもらいました。「深く息を吸うとイライラしなくなるんだよ。セルフマネジメントのスキルで先生に教えてもらったんだよ」と。

「嫌われない技術」はとても大事です。やっていることが間違ってなくても「嫌われる代償」は、日本では大きくなるばかりだと思います。

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田村耕太郎

田村耕太郎

田村 耕太郎(たむら・こうたろう)/国立シンガポール大学リー・クアンユー公共政策大学院兼任教授。ミルケン研究所シニアフェロー、インフォテリア(東証上場)取締役、データラマ社日本法人会長。日本にも二校ある世界最大のグローバル・インディアン・インターナショナル・スクールの顧問他、日、米、シンガポール、インド、香港等の企業のアドバイザーを務める。データ分析系を中心にシリコンバレーでエンジェル投資、中国のユニコーンベンチャーにも投資。元参議院議員。イェール大学大学院卒業。日本人政治家で初めてハーバードビジネススクールのケース(事例)の主人公となる。著書に『君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?』(マガジンハウス)、『野蛮人の読書術』(飛鳥新社)、『頭に来てもアホとは戦うな!』(朝日新聞出版)など多数

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