「母は少し戸惑っていましたね。自分一人だけの娘でいてほしかったんじゃないでしょうか。『よかったねぇ~』とは言わなかった。『あっ、そう』って。でも反対もしませんでした」

 結婚式はせず、ドレスを着て、ご主人と二人で写真を撮った。

「2年前に母が亡くなったとき、主人はよく動いてくれました。私一人だったらと思うと……。あらためて結婚してよかったと思いましたよ。それに、母がいなくなって一人になったら、きっと寂しいと思ったと思います。でも主人がいてくれたから、話ができる相手がいたから、大丈夫でした」

■年を取れば夫婦別床に。一人になる訓練を今から

「彼も60歳で定年して、小さいころから興味のあった天文学を勉強し始め、星の先生のボランティアをし、以前から『星がきれいに見えるところに家がほしいね』って言ってて。東京なので奥多摩とかいいねって。そんなとき長野に行き、たまたま見た別荘を主人が気に入ってしまい、ここでもまっすぐな性格が出て、その別荘を買ってしまったんです」

 その後、長野に行くことが多くなり、ご主人は月に10日、山口さんは月に3日ほど出かけていく。

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