佐喜真氏が公明党支持者票を固め切れなかったことは、県知事選関連番組などで紹介された出口調査結果がはっきりと示していた。公明党支持者の約4分の1が佐喜真氏ではなく、玉城氏に投票していたのだ。

「名護市長選でも陣頭指揮を取って創価学会員をフル稼働させ、自公推薦の渡具知市長を誕生させた立役者は学会幹部です。学会本部からトップダウンで指令を出す中央集権的な手法が駆使された。この“名護市長選方式”が今回の沖縄県知事選でも繰り返されました。5千人規模で学会員が沖縄に入って、佐喜真支援を呼びかけています。学会幹部の指示で創価学会員が安倍政権を支えるために利用されています。池田名誉会長が『権力を監視せよ』と言っていたのと正反対の状態なのです」(前出の野原氏)

 しかし今回の沖縄県知事選では、自公選挙協力の”不敗伝説”が崩壊する8万票という大差の敗北となった。「安倍政権の終わりの始まり」と断言する自民党関係者がこう解説した。

「自公合同選対を組む”名護市長選方式”を産み出したのは菅義偉官房長官と学会幹部です。これまで重要選挙で連戦連勝を続けてきた菅・学会幹部コンビが惨敗をした意味は大きい。『潮目が変わった』とも言えますが、沖縄県知事選をモデルケースにすれば、安倍政権は来年の統一地方選挙や参院選などで連戦連敗、瓦解へと追い込まれていく可能性がある。創価学会員の離反を招いた公明党は、さらなる離反を招かないために憲法9条改正に強く反対するのは確実で、安倍政権での改憲の実現は厳しくなった」

 今月も沖縄では、豊見城市長選(10月14日投開票)と那覇市長選(21日投開票)が相次ぐが、ここで自公系候補が連敗することになれば、これまで安倍政権の屋台骨を支えてきた「菅長官・学会幹部のコンビ」のさらなる凋落を物語るものになり、全国に波及していくのは確実。今回の沖縄県知事選を機に安倍自公連立政権が崩れていくのか否かが注目される。(ジャーナリスト・横田一)