女子バレー日本代表の黒後愛(写真:getty Images)
女子バレー日本代表の黒後愛(写真:getty Images)

 2020年に、伝説となるチームをつくる。

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 16年10月に女子バレー日本代表監督に就任した中田久美は、そう目標を掲げた。1964年の東京五輪で正式種目として採用されたバレーの女子日本代表が金メダルを獲得し、今なお「東洋の魔女」として輝かしい伝説であり続けるように、2年後の東京五輪で再び――。

 だが、現実は険しい。

 東京五輪の前哨戦として臨んだ今夏のアジア競技大会。酷暑のインドネシア・ジャカルタで開催された大会を2020年のシミュレーションとしたが、中国、タイ、韓国に敗れて結果は4位。表彰台に上がることすらできずに終えた。

 そんななか、2年後を見据えて経過ではなく結果が問われる今季の最終戦であり、シーズン発足時から“最重要”として位置付けてきたのが9月29日に開幕する世界選手権だ。バレーボールは例年さまざまな国際大会が開催され、テレビ中継時もそれぞれが「世界一決定戦」と謳われるため、どれがどんな大会なのか、詳しくなければ区別はつきにくいが、世界選手権は三大大会と呼ばれる国際大会の中で最も出場国が多く、長い歴史を誇る大会である。2年後の五輪で上位進出を果たすためには世界選手権で結果を残さなければ厳しい、そう言っても過言ではない、大きなウェイトを占める大会だ。

 1カ月にも満たない期間で、6チームによる1次ラウンドを勝ち抜いた上位4チームが2次ラウンドに進出。さらに、そこからまた上位3チームが3次ラウンドに進出し、トップ6による3次ラウンドを勝ち抜いた4チームが準決勝、決勝を戦うハードスケジュールだ。この厳しい戦いを勝ち抜くためには、それぞれの役割を果たし、強い「チーム」として戦うことが大前提ではあるが、同時に、苦しい戦いが続くからこそ「ここで決めてほしい」という場面で得点をもぎ取り、勝利をもたらすようなチームの軸、エースと呼ぶべき存在の確立も世界選手権では注目すべきポイントの1つになるのではないだろうか。

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エース待望論が続く女子バレー日本代表