剛力彩芽の炎上で綾瀬はるかの「ぶっちゃけなさ」が貴重な夏 (2/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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剛力彩芽の炎上で綾瀬はるかの「ぶっちゃけなさ」が貴重な夏

連載「あの人ってば。」

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矢部万紀子dot.#ドラマ#矢部万紀子
綾瀬はるか(c)朝日新聞社

綾瀬はるか(c)朝日新聞社

矢部万紀子(やべまきこ)1961年三重県生まれ、横浜育ち。コラムニスト。1983年朝日新聞社に入社、宇都宮支局、学芸部を経て「AERA」、経済部、「週刊朝日」に所属。週刊朝日で担当した松本人志著『遺書』『松本』がミリオンセラーに。「AERA」編集長代理、書籍編集部長をつとめ、2011年退社。同年シニア女性誌「いきいき(現「ハルメク」)」編集長に。2017年に(株)ハルメクを退社、フリーに。著書に『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』

矢部万紀子(やべまきこ)1961年三重県生まれ、横浜育ち。コラムニスト。1983年朝日新聞社に入社、宇都宮支局、学芸部を経て「AERA」、経済部、「週刊朝日」に所属。週刊朝日で担当した松本人志著『遺書』『松本』がミリオンセラーに。「AERA」編集長代理、書籍編集部長をつとめ、2011年退社。同年シニア女性誌「いきいき(現「ハルメク」)」編集長に。2017年に(株)ハルメクを退社、フリーに。著書に『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』

付け加えるなら、どの女性にも意志の強さとあたたかさがあった。そういう女性の、つい感情が溢れる瞬間を綾瀬はとても上手に演じる。

「義母と娘のブルース」では、世事に疎いが仕事のできる鉄鋼メーカーの営業部長という役どころ。その仕事ぶりに目をつけた、同業他社の営業マン(竹野内豊)に求婚される。彼は妻と死別して、娘を一人で育てている。その人がなぜ営業部長にプロポーズし、彼女はなぜそれを受けたのか。詳細が4回で明らかになった。

 なぜ受けてくれたのか、と当の夫に尋ねられ、亜希子はこう答える。

 「私は、人恋しかったんだと思います」

 「は」と「人」の間のちょっとした間が、とてもよい。

 プロポーズされた前日のことを語る亜希子。仕事から帰り、とてもおもしろいマンガを夢中で読んでいたら、最後のページに「作者急逝のため、この作品は未完です」とあった。ショックで、そのことを誰かに話したかった。そう説明して、こう言う。

 「仕事でもない、さして重要でもない話をする相手が、いなかったんです」

 ああ、わかる、わかる。人恋しいって、そういうことだ。こちらも少し胸がキュンとする。すると、亜希子が「くだらない話です。ご放念ください」と慌てて付け加える。恥ずかしそうな感じが、又、よい。

綾瀬の清潔な感じが、演技の根本にあると思う。1985年生まれの33歳。十分にいまどきの人なのに落ち着いた感じがする。ドラマなどの宣伝でたまに出るバラエティーでも、はしゃがない。でもかわいい。好もしい。

 SNS時代になって、「感情を表に出す」もっと言うなら「本音をぶちまける」。そういうことが、よしとされすぎている気がしてしょうがない。

 プロが評価されるのはよいのだ。「自分にとっての本音」を語ると、見る側が「言葉にできていなかったけど、自分もそう思う」「誰も言えなかったけど、真っ当な指摘」と共感する。そういう「本音職人」の頂点にいるのが、マツコ・デラックスなのだと思う。



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