「ファンのために頑張ります」って言っているアイドルとか、本心でそう思っているか知りませんけど、みんながそうじゃなくていいと思いますけどね。自分のために、自分が納得するために頑張って、それを見て、気に入って共感してくれる人がファンと呼ばれる人なんじゃないですかね。だからこそ新しいものを生み出そうとして、見たこと無い面が見られたとか、またあいつのことが好きになった、嫌いになったってことがあるんですよね。

 僕はクリエイターとして自分が作りたいものを楽しみながら作っていきたいから、引退を考えるときがあるとしたら、そこに興味が無くなったときでしょうね。収入を得ていたとしても、楽しくなくなったとき。つらくてつらくてたまらなくなったときには辞めるかもしれないですね。あとは、いまは理想にたどり着くまでの上り坂ですけど「これ以上はない」ってぐらい登りきったときに、思い描いていた景色と違うというときとか。まあ、いまは考えられないですけど。

 それに男性の芸能人があんまり引退をしないのは、家族のために稼がないといけないからっていうのもあるんじゃないですかね。僕だって単純に働かないとカネがない。働いてカネが回っているけど、その工場を自分で止めちゃうと収入が得られなくなるから。だからしょうがないですよね、働くしかない。

 働かなくてもカネが入ってきたり、一生食っていけるだけの蓄えがあるなら辞めるっていう選択肢があるかもしれないけど、いまは働いているのが嫌いじゃないから、身体が動く限りは良いんじゃない?って思いますね。僕らの商売は喋れなくなれば終わりっていう特殊な職場ですからね。

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カンニング竹山

カンニング竹山

カンニング竹山/1971年、福岡県生まれ。お笑い芸人。本名は竹山隆範(たけやま・たかのり)。2004年にお笑いコンビ「カンニング」として初めて全国放送のお笑い番組に出演。「キレ芸」でブレイクし、その後は役者としても活躍。現在はお笑いやバラエティー番組のほか、全国放送のワイドショーでも週3本のレギュラーを持つ。単独ライブ 「放送禁止2017」が9月21~24日、東京・品川の天王洲銀河劇場で開催(撮影/写真部・小原雄輝)

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