芸人やタレントはたまにいい話をして「ああ、そうなんだ」「響いたわ」と思われても、基本的にパンツ一丁になったり、汚い体を出してバカなことをするわけだから、それをリスペクトするのはちょっと変わった人じゃないですか。それよりは、ミスチルの名曲をステージで歌われたほうが、歌詞とメロディーで「一生懸命、生きなきゃ」ということが伝わりますよ。僕や出川哲朗さんや上島竜兵さんや日村勇紀君が、パンツ一丁でネバネバのローションの中でザリガニと戦っていても「一生懸命生きてるなこの人」ってなかなか思ってくれないですよね。

 直接的なのか、間接的なのか。そういうエンタテインメントのわかりやすさもあるから、一番モテるのは歌手だし、シンボルになるのもインスパイアされるのも歌手やバンドですよね。

 歌手の人は疲れちゃうんじゃないですかね。それだけ人に影響力を与えるというのは、人のパワーを受け取りながらやることだから、私自身はどうなんだろう何なんだろうって疲れちゃうんじゃないですか。完璧なものを見せなきゃいけないから。僕らなんか「すみませーん」ってすぐ言っちゃうけど。それが違うのかな。

 ただ、あんまり語らないけど、僕ら芸人でも間接的な影響を与えていることがあるんですよ。

 昔、かみさんと後輩と焼き肉を食っていたら、梅宮辰夫さん似の年上のオジサンが女性と3人ぐらいで別の席で食事していたんです。

「竹山さん、これをちょっと受け取ってほしいんですけど」

 何か渡そうとするんですよ。

 「勘弁してください」って言っても、オジサンが「テレビを見ていて竹山さんのことを応援していて」って言うんです。写真も撮りたいって言うから後で恐い人たちとの写真が出回ったら困ると思って「勘弁してください」って断ったんですよ。

 席に戻ったオジサンがしばらくして帰るときに「これだけ読んでください、名刺も入れてますので」って変なメモみたいなものを置いて行ったんですよ。もう、住所とか書いていたらややこしいじゃないですか。置いて帰れないから、仕方がないから開いて読んだんです。

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衝撃の手紙の内容は…「自分を咎めました」