色んな習い事に連れて行って、ほかの国や場所にも連れて行き、うざがられるほど娘の行動を見るようにしました。もちろん子どもなので好きなものはどんどん変わりますが、やはり注意深く観察していると一定の好みの方向があるようなのです。

 かなりのおせっかいに見えるでしょう。でも娘の学校の先生も全く同じやり方で一人一人をよく見てくれています。先生が伝えてくれるのは成績ではなく「こんなことに今日は打ち込んでいたよ」との報告です。

 嫌なこともしないと能力は成長しないとも思いますが、私は本当に好きなことがあってそのために嫌なこともする方がいいのではないかと経験上思っています。従順さより主体性がより求められる時代になると思うからです。

 幸か不幸か人生の目的を見つけるのに50年以上もかかったわけですが、逆に時間がかかった分、色んな苦悩を経させてもらった分、揺るぎない自信があります。

 そのためなら「どアホの靴でも舐めまっせ」「土下座もしまっせ」と思っています。ただ、やりたいことをやっていると意外にそういう局面が来ないものです。

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田村耕太郎

田村耕太郎

田村 耕太郎(たむら・こうたろう)/国立シンガポール大学リー・クアンユー公共政策大学院兼任教授。ミルケン研究所シニアフェロー、インフォテリア(東証上場)取締役、データラマ社日本法人会長。日本にも二校ある世界最大のグローバル・インディアン・インターナショナル・スクールの顧問他、日、米、シンガポール、インド、香港等の企業のアドバイザーを務める。データ分析系を中心にシリコンバレーでエンジェル投資、中国のユニコーンベンチャーにも投資。元参議院議員。イェール大学大学院卒業。日本人政治家で初めてハーバードビジネススクールのケース(事例)の主人公となる。著書に『君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?』(マガジンハウス)、『野蛮人の読書術』(飛鳥新社)、『頭に来てもアホとは戦うな!』(朝日新聞出版)など多数

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