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「今日は、私が発見した、たった0.1秒で好感度がアップする『思い切りの笑顔』を体験していただきたいと思います」
そう話すのは 現在企業に社員の好感度アップの手法を指導する柳沼佐千子さんだ。子供の頃からいじめられ、社会人になってからも「嫌われ続けの人生」を歩み続けてきた。その経験から、人から好かれる方法を20年にわたって独自に研究。誰にでもできて誰に対しても効く、好感度アップの手法を編み出した。それをまとめたのが、『空気を読まずに0.1秒で好かれる方法。』(朝日新聞出版刊)だ。
「空気を読まずに?」
「しかも0.1秒で?」
「本当に人から好かれるようになるの?」
0.1秒のうちに次々「?」が浮かんだに違いない。
そこで(かどうかはわからないが)、小社社員が実際に柳沼さんの研修を受講。実際にどのような変化が起こるかを試した。出席したのは新人から管理職のベテラン社員まで総勢16名。職種は営業、販売、編集……とさまざまだ。見るからに真面目な面持ちの社員たち。果たして研修1時間でどこまで変われるのか。
柳沼さんが唱える「誰からも好かれるフォーム」は、「表情」「声のトーン」「身振り・手振り」の3つカテゴリーからなる。今回限られた時間の中で、特に基本となる「思いきりの笑顔」の作り方、相手の感情を動かす「応援」の仕方、悪い例を含めた「返事の仕方」を教えてくれた。
まずは、相手の印象を大きく左右する「思いきりの笑顔」から。これは、大げさなくらいの満面な笑顔のこと。ポイントは「口の形」「頬」「目」だ。
口は「い」を発音するときの形を意識して、横幅を上の歯を奥歯まで全部見せるように両側に目いっぱい開く。見せるのはあくまで上の歯だけ。頬はアンパンマンのように「頬の筋肉が丸くなるように」持ち上げる。目は、三日月が寝ているような形に細める。柳沼さんはこれで「誰でも今日から相手の反応を変えることができます」ときっぱり言い切る。
まずは椅子に座った受講者2人が向き合い、それぞれ両手を握って膝の上で待機する。
「私が『さん、ハイッ』と言ったら顔の横にグーを持ってくる。いいですね? それから『ニッ』の合図で手をパーに開いて思いきり笑顔。ニーッとやります。では、さん、ハイッ、ニーッ。そうそう。やり過ぎくらいやってくださいね」
いっせいに「ニーッ」と始まるが、すぐに柳沼さんの激が飛ぶ。
「恥ずかしいと思ってやると、相手に『気持ち悪い』って思われます。思いきりやって下さい」
どちらが早く相手にニッと笑顔を向けられるか、その「スピードも大切」と柳沼さん。