日本大のルーツは1889(明治22)年設立の日本法律学校である。その伝統が受け継がれたからだろうか、出身者には公務員が多い。大学が全国区(47都道府県から多くの入学者を集める)なので、Uターン就職で出身地の都道府県、市区町村で働く人が多い。中学校、高校の教員就職者が多いのは、各教科(英、国、数、理、社、体育、美術、音楽など)の教員養成に対応できる学部がそろっているからだ。

<3>国家試験合格
(1)一級建築士1位
(2)技術士2位
(3)弁理士18位
(4)司法試験28位

 一級建築士1位ということは、日本の最先端建築物の多くに日本大出身者が関わってきたということだ。技術士の上位校には京都大、北海道大、東京大、大阪大、九州大が並ぶ。このなかで2位というのはすごい。JR東日本、JR東海でもたくさんの技術者が活躍している。理工学部、生産工学部、工学部の底力である。

<4>人気企業就職者数
(1)JR東日本1位
(2)JR東海2位
(3)エイチ・アイ・エス1位
(4)第一生命4位
(5)本田技研工業4位

<5>OB・OG(政治家、首長)
(1)国会議員6位
(2)市長2位
(3)知事8位

 東京大はたくさんの官僚や政治家を生み、日本の舵取りを担ってきた。

 日本大は全国各地のさまざまな業種業界に多くの人材を送り出し、地域企業を盛り上げたり、自営業を継いだり、起業したりなどで地場産業を育ててきた。日本経済を支えてきたといっていい。

 また、芸術学部は日本の文化も引っ張ってきたといえる。

<6>OB・OG(社長)
(1)社長1位
(2)女性社長1位
(3)一部上場企業社長8位
(4)企業所在地別で日本大出身の社長数が1位の都道府県
(青森、岩手、秋田、山形、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨、長野、岐阜、静岡、香川、高知、宮崎)

<7>OB・OG(文化、芸能)
(1)文学賞受賞6位
(2)俳優3位
(3)映画監督2位
(4)アナウンサー10位

 大学の役割は教育、研究、社会貢献がある。日本大は規模が大きいので、人材育成など社会貢献に関わる分野がたくさんある。これまで日本大が築きあげてきた様々な上位ランキング分野の強みを、社会に還元してほしいと願う。
 
(文・小林哲夫/教育ジャーナリスト)