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春日局役の大原麗子とは「公私ともに本当に仲良し」長山藍子が明かす秘話

連載「大河ドラマ誕生55周年の秘話」

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長山藍子 (c)朝日新聞社

長山藍子 (c)朝日新聞社

大原麗子 (c)朝日新聞社

大原麗子 (c)朝日新聞社

「共演シーンが多かった麗子ちゃん(大原)とは公私ともに本当に仲良くしていたので、私が扮した家光の生母であるお江与と麗子ちゃんが扮した乳母の春日局が対立する場面でもお互いが本気でぶつかり合うことができました。ドラマでは私のお江与が先に亡くなるのですが、春日局がその死を看取るときも麗子ちゃんのお芝居にすごく友情を感じながら演じていたという記憶があります。ああ、これで麗子ちゃんとのお芝居が最後なのか、と悲しくなったことを覚えています」

 橋田脚本の大河過去二作「おんな太閤記」(長山さんは秀吉の姉ともの役で出演している)「いのち」で登場人物が頻繁に発した「戦の無い世」「平和の世」というセリフが、本作でも数え切れないほど発せられている。長山さんはそんな橋田脚本をどう読んでいたのだろうか。

「反戦ということをメッセージとして押し付けるのではなく、その時代を必死に生きた人間の生の声としてお書きになっているから見る人の記憶に残るのだと思います。橋田先生はどのご本でも時代劇、現代劇に関係なく時代や立場や身分を越えて、人がひたむきに必死に生きる姿を描いています。演者も演出家もその必死さを理解して取り組むから、見てくださる方に共鳴してもらえるのではないでしょうか。登場人物が背負っている悲しさや辛さを深く理解してお書きになっているから、演じる私もその役になり切ることができたのだと思います。『春日局』は戦国から江戸初期までの物語ですが、歴史劇というより人間ドラマとして書かれていますから、わかりやすかった、ひきこまれたと、いろんな方に言っていただき嬉しかったです」

 大河初の橋田脚本「おんな太閤記」(歴代視聴率第5位)によって、従来の歴史的事実やヒロイズムを重視した大河ドラマの伝統が、ホームドラマ的かつヒロイン重視の物語へと変貌したことは確かだ。

 その変質への賛否はあるものの、「お局さま」が流行語と定着したように橋田が大河の裾野を広げたことは、視聴率が証明している。(植草信和)


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植草信和

植草信和(うえくさ・のぶかず)/1949年、千葉県市川市生まれ。キネマ旬報社に入社し、1991年に同誌編集長。退社後2006年、映画製作・配給会社「太秦株式会社」設立。現在は非常勤顧問。

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