天狗の鼻は高くなかった! 妖怪なのか神なのか? 謎多き天狗の正体に迫る (1/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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天狗の鼻は高くなかった! 妖怪なのか神なのか? 謎多き天狗の正体に迫る

連載「あなたの知らない神社仏閣の世界」

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高尾山薬王院の天狗像(手前は高鼻天狗、奥は烏天狗)

高尾山薬王院の天狗像(手前は高鼻天狗、奥は烏天狗)

猿田彦神(日枝神社・山王祭より)

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ガルダに似ていると話題になった「大雄山最乗寺」の天狗像

ガルダに似ていると話題になった「大雄山最乗寺」の天狗像

「天狗になる」という言葉がある。良い意味で使われることはなく、「いい気になってうぬぼれる」という意味だが、これには2つの前提がある。まず、「鼻が高い」(誇らしい、得意である)の慣用句と、天狗は鼻が高いものであるということだ。これらを知っていなければ、「天狗になるな」といった警告はまったく相手に通じない。同様の意味を持つ英語は「become big-headed」で、こちらは大きくなるのは鼻ではなく、頭らしい。

 さて、今回は「鼻が高い」方は置いておくとして、なんだかよくわからない「天狗」について少しまとめてみたい。

●古来の天狗の姿とは

「天狗」という漢字から見ると、天の狗(いぬ)という意味になる。神社などに鎮座する狛犬などの扱いからもわかるように、もともとの意味は「お遣い」「使者」であり、言葉が生まれた中国では、凶事を知らせるものを指していた。

 ところが日本で天狗はまったく違う発展をしていく。

 天狗はまず仏教、特に密教とともに広がっていった。古来、日本の山々には神が住むと考えられてきたわけだが、人間に理解できない現象を山に住む天狗のしわざと思うようになっていった。この頃の姿は、白髪の老人の姿のようでもあり、犬やオオカミに似ていたり、童子や鬼の姿で表されたりすることもあった。

●烏天狗の姿の時代

 これが現在のような、赤い(青い場合もあるが)顔をし、高い鼻、翼を持ち、高下駄を履いた山伏風の姿になったのは、早くても鎌倉末期、全国的に広まったのは江戸時代にかけてではないかと言われている。

 現在の姿となる前に、烏(からす)天狗という鼻ではなく、くちばしが長い姿の時代が長くあった。霊山で修行をする山伏たちが使う術が天狗の妖術と重なり合ったためか、烏天狗の姿はくちばしのある山伏姿で表されている。現在も、この烏天狗姿の像が、いくつかの寺社に残されているが、この姿の天狗では「天狗になる」という言葉は誕生しない。


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