「アスペルガー」というと、どんな人をイメージするだろうか? アスペルガー症候群に関するメディア情報が増えつつある昨今、「空気が読めない」「コミュニケーションが苦手」「一つの物事に異常にこだわる」という典型例はよく知られるようになった。周りから浮いている同僚や上司、あるいは話が通じない家族のことを、「もしかしたらアスペかも……?」と思ったことがある人もいるだろう。
しかし、そう思ったあなたも、実は「隠れアスペルガー」かもしれない。発達障害カウンセラーの吉濱ツトム氏はこう言う。
「アスペルガーと診断されるほどではないけれど、明らかにアスペの症状がある。そんなグレーゾーンに位置する人、いわば『隠れアスペルガー』で苦しんでいる人は、真性のアスペルガーよりはるかに多く存在します」
WHOの分類によれば、アスペルガー症候群は自閉症と同じ「広汎性発達障害」の一種。広汎性発達障害とは、「コミュニケーションの障害」「対人関係・社会性の障害」「パターン化した行動、興味・関心のかたより」がある脳の器質的障害だ。このうち言語障害と知能の遅れがないものをアスペルガー症候群と呼んでいる。