“伝説”になる3月生まれの3人のミュージシャンたち (2/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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“伝説”になる3月生まれの3人のミュージシャンたち

連載「六九亭日乗」

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大友博dot.#大友博
デヴィッド・ギルモア『ライヴ・アット・ポンペイ』

デヴィッド・ギルモア『ライヴ・アット・ポンペイ』

大友博(おおともひろし)1953年東京都生まれ。早大卒。音楽ライター。会社員、雑誌編集者をへて84年からフリー。米英のロック、ブルース音楽を中心に執筆。並行して洋楽関連番組の構成も担当。ニール・ヤングには『グリーンデイル』映画版完成後、LAでインタビューしている。著書に、『エリック・クラプトン』(光文社新書)、『この50枚から始めるロック入門』(西田浩ほかとの共編著、中公新書ラクレ)など

大友博(おおともひろし)1953年東京都生まれ。早大卒。音楽ライター。会社員、雑誌編集者をへて84年からフリー。米英のロック、ブルース音楽を中心に執筆。並行して洋楽関連番組の構成も担当。ニール・ヤングには『グリーンデイル』映画版完成後、LAでインタビューしている。著書に、『エリック・クラプトン』(光文社新書)、『この50枚から始めるロック入門』(西田浩ほかとの共編著、中公新書ラクレ)など

 その4つの映像作品のすべてで、オーディエンスからの反応も含めてまさにハイライトとしてフィーチュアされているのが、『ウィッシュ・ユー・ワー・ヒア』のタイトル曲と、『ザ・ウォール』収録の「カムファタブリィ・ナム」。アコースティック・ギターを核にしたロックの名曲の代表格とも呼べる前者は、ギルモアが弾いていたいわば曲の原型にウォーターズが興味を持ち、歌詞を加えて完成させたもの、ドラマティックに展開される後者は、もともとはギルモアのソロ作品のために書かれていたものがベースになっているらしい。

 この2曲が典型的な例といえるかもしれないが、ギタリスト=ギルモアは、きわめて特徴的なこととして、基本的にはライヴでもオリジナルの雰囲気を守り、ソロの構成や進行も変えることがない。しかもそのうえで、つねに新鮮なイメージのプレイを聞かせていく。簡単なことではないが、それができるアーティスト、ということなのだろう。神秘的な空気の漂うポンペイでのライヴ映像を観て、そういった音と向きあう姿勢がより揺るぎないものになっているという印象を受けた。

 オハイオ州クリーヴランド出身のボビー・ウーマックは、ソウル・シンガーと紹介されることが多く、もちろんそのとおりなのだが、レパートリーのほとんどを自ら書いてきたソングライターであり、そしてまた、ギターを抱えた姿がなんともサマになる人でもあった。とりわけ、1981年のアルバム『ザ・ポエト』での、名器ゼマティスを抱えた写真が忘れられない。左利きながら、弦を張り替えずに弾いていて(アルバート・キングなどと同じで、つまり、低音弦が下にくる)、その個性的な奏法から生まれる音が、間違いなく、彼が書く曲にも反映されていたはずだ。代表曲の多くは、熱く、リアルなラヴ・ソングだが、89年には『セイヴ・ザ・チルドレン』という強いメッセージの込められた作品も残している(カルロス・サンタナも参加)。


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