■小久保裕紀(ダイエー→巨人)

 03年の日本一パレード翌日に、ダイエー球団が前代未聞の“無償トレード”を発表。移籍先が巨人だったこともあって様々な憶測が飛び交い、あまりにも不可解な放出劇にダイエーの選手たちが同年の優勝旅行をボイコットする騒ぎにも発展した。引退後に上梓した自叙伝の中で、当時の球団への不信感、フロントとの確執、自らトレードを志願したことなどを明かしたが、最終的にFAで古巣(ソフトバンク)に戻ったことも含めて、この巨人への移籍劇には大きな疑問符が付いた。

■サブロー(ロッテ→巨人)

 プロ17年目の11年シーズンの途中(6月)に巨人との間で、工藤隆人プラス金銭でのトレードが成立。両選手の実績には大きな差があり、衰えが見え始めていたとはいえ、チーム生え抜きの将来の監督候補でもあった男の放出劇に、選手、そしてファンは不満を爆発させた。サブロー自身も、巨人で目立った成績を残すことができず、自らの放出を決めたフロント陣がオーナーの怒りを買って退陣したこともあって、巨人在籍154日でFA宣言して古巣に復帰。無事に“元サヤ”に収まったことが、不幸中の幸いと言えた。