■2001年 近鉄(ローズ、中村紀洋、磯部公一)


 2年連続最下位から“いてまえ打線”が大爆発し、劇的な“代打逆転サヨナラ満塁弾”で優勝を決めた2001年の近鉄。その中心は、3番・ローズ(打率.327、55本塁打、131打点)、4番・中村紀洋(打率.320、46本塁打、132打点)、5番・磯部公一(打率.320、17本塁打、95打点)のクリーンナップ。ローズが王貞治の日本記録に並ぶ55本塁打をマークし、中村は132打点で打点王を獲得。このふたりで101本塁打、263打点と驚異的な数字を残し、その後に座った磯部はリーグトップの得点圏打率.417をマーク。リーグワーストのチーム防御率4.98の投手陣を、クリーンナップを中心にとにかく打って打って、打ちまくってカバーした。

■2002年 巨人(高橋由伸、松井秀喜、清原和博)
 独走でリーグ優勝を飾り、日本シリーズでは西武に4連勝して日本一に輝いた2002年の巨人。エース・上原浩治が沢村賞に輝いた一方で、3番・高橋由伸(打率.306、17本、53打点)、4番・松井秀喜(打率.334、50本塁打、107打点)、5番・清原和博(打率.318、12本塁打、33打点)のクリーンナップがピカイチの存在感を誇示。特に不動の4番“ゴジラ”松井が後半戦に入って大暴れし、本塁打王、打点王、最高出塁率、シーズンMVPを獲得。この年を最後に松井はMLBに移籍。長嶋茂雄監督の下で2000年に誕生した“ミレニアム打線”は、その役目を終えた。

■2003年 ダイエー(井口資仁、松中信彦、城島健司)
 王貞治監督の下、3年ぶりのリーグ優勝と日本一に輝いた2003年のダイエー。村松有人、川崎宗則の1、2番コンビに続き、3番・井口資仁(打率.340、27本塁打、109打点)が42盗塁と塁上で相手投手にプレッシャーを与え、4番・松中信彦(打率.324、30本塁打、123打点)、5番・城島健司(打率.330、34本塁打、119打点)が高い確率で走者をかえした。6番に控えたバルデスも104打点をマークし、史上初の「100打点カルテット」が誕生したのもこの年。小久保裕紀が4番を務めた2001年、2002年も強力だったが、日本一に輝いたことも含め、やはり2003年が“最強”だろう。

■2006年 中日(福留孝介、ウッズ、森野将彦)
 8年間で4度のリーグ優勝を飾った落合博満監督による“オレ流”野球の中日で、最も強かったのが2006年だった。川上憲伸をエースに据え、打線は荒木雅博、井端弘和の1、2番の後に、3番・福留孝介(打率.351、31本塁打、104打点)が首位打者とMVP、4番のウッズ(打率.310、47本塁打、144打点)が本塁打と打点の2冠に輝き、前半戦はアレックス(打率.273、15本塁打、77打点)、後半戦は森野将彦(打率.280、10本塁打、52打点)が5番に座って勝負強さを見せた。

■2015年 ソフトバンク(柳田悠岐、内川聖一、李大浩)
 昨季の王者ソフトバンクだが、クリーンナップの数字をみれば、その2年前の2015年の方が上だった。3番・柳田悠岐(打率.363、34本塁打、99打点)が暴れ回ってトリプルスリーを達成し、4番・内川聖一(打率.284、11本塁打、82打点)は打率3割を下回りながらも繋ぎのバッティングの中で勝負強さを披露。5番の李大浩(打率.282、31本塁打、98打点)が塁上を一掃した。近年の中でも、間違いなく“最強”の部類に入るクリーンナップだった。